土曜日, 6月 26

ドラえもん 8 (藤子・F・不二雄大全集)

電撃大王コミックガム立ち読みの代償として、D書店で購入。
レジに並んでしまった後から、差益を比較し忘れていたことに気づき、大慌てで暗算を開始。だが1785円という細かい価格と微妙すぎる差のため、錆びついた脳内は混乱を極め、けっきょくイチかバチかで図書券を使うことに決めた。しかし実際は

図書カード:1785円×4.5%=80.325円
図書券:500円券(購入額480円)×4枚=80円


と、わずか1円未満の差ではあるものの、図書カードのほうがお得だったという痛恨の判断ミス…。誤差に等しいレベルとはいえ、ムダな損失であることに変わりはないわけで、今後は必ず購入前に差益比較を怠らないよう肝に命ずる。

ひっこし地図
普天間の米軍基地を(ry
のびちぢみスコープ
低学年向け作品のお約束である、ビジュアルインパクト系のネタ。
太ましいママ&のび太

なかなか愛嬌があると思う。
声のかたまり
恐らくアニメ化されているとは思うけど、見た記憶が無い作品。しかし、この“書き文字が実体化する”というアイデアが100%の破壊力を発揮するのは、やはりマンガというメディアだからこそと思う。
シンガーソングライター
悩めるゲイジュツカの顔(笑)。

今なら「初音ミクを進化させて、自分で作曲させよう」みたいな話になるのだろうか?
ロボッターの反乱
地球製造法」のときのママもそうだったが、2階の窓からゴミを捨てるなっ! ゴミ捨てに対する、この時代の平均的な人間の感性って、こんなにズボラだったのか?
ムシャクシャカーっとしたら
貿易摩擦がジャパンバッシングに発展し、アメリカの労働者がトヨタの自動車を破壊してた光景を思い出したが、あれって80年代以降だったよな? この作品は77年に描かれたから、直接的な関係は無いか…それにしても(「ドラえもん」では珍しいタイプの)豪快なオチだ。
バイバイン
俺が思いつくレベルのことは「宇宙はくりまんじゅうで滅びるか?(著:山本弘)」その他で、すでに語り尽くされている気もするけど…口の中で噛まれたり、喉を通過中の時点では倍増しないように見えることから考えて、消化液に触れた時点で効果が失われると推測される。つまり全部を食べ尽くさなくても、とりあえずツバさえ付けてしまえば、倍増を止められるんじゃね?
未知とのそうぐう機
既読なのに大爆笑してしまった…この3コマのリピートが素晴らしい。

話題がどんどん庶民レベルにスケールダウンして行ってるし(笑)。
似たようなオチは藤田和日郎の読み切りでも見た記憶があるけど、あっちは確かアルミニウムだったな。ガラスにせよアルミにせよありふれた物質のはずで、超光速航法を実現できるほどの文明にとって価値あるモノという設定は、いささか無理があるように思える。他のSFなどで見かけるパターンを参考にすると、原生の動植物あるいはその加工品とか、非物質的な価値(←芸術品やコンテンツ)などを差し出すのが妥当ではないかと。
この場合、のび太の部屋に散らばってたマンガ本を気に入って持ち帰る→ドラ&のび太「地球は救われた!」と歓喜→ママ「マンガの読みすぎです」…で、キレイにオチる気がする。
無敵コンチュー丹
この巻ではゴキブリネタが多用されているので、ぜひゴキブリの敏捷性や生命力も加えるべき(笑)。でもマジでゴキブリ最強だろ…とくに飛行中のゴキブリは無敵!
天井うらの宇宙戦争
“地球のミサイル”(笑)は更にパワーアップして、あの「宇宙開拓史」の名場面へとつながっていくわけね。警報を鳴らして、全軍一斉で食事に出かけるアカンベーダーがラブリー。
のび家が無重力
悲しむべきことに、今だに火星は人類未踏なんだよな…。
あの窓にさようなら
新たに旅立つ者と、それを見送る者。遠く離れても絆はつながっている…という、せつなくもイイ話。これが卒業回でも良かったかも。
しあわせのお星さま
四年生の12月号か…この手の学習マンガを読み始めるには妥当な時期だな。「この空気は、引力の弱い星での上でも、ちゃんと溜まるんだよ」…最大の問題をあっさりスルーかよ!(笑) 「星の中へ火をつけてきた」とセットで、超高密度超質量物体を中心核に据えたほうが早い気がするぞ。
出てくる出てくるお年玉
“松”の「半年入院するケガをしたら1284円出てきた」って明らかに帳尻が合わないだろ!(笑) 差額はどこに消えた? フエール銀行の利子にでも回されているのか?
人よけジャイロ
権利関係のややこしい名前とかならともかく、なぜ一般的な地名を“箱毛”や“四畳半島”に改変するのか謎。
ゴキブリカバー
同じようなオチでも、犬だと感動的な話(←後述)になったのに、ゴキブリ差別だ(笑)。ちなみに「うちの石炭紀」は'78年の作品なので、こちら('79年11月号掲載)のほうが後なのね。
ハッピープロムナード
既読なのに、オチの見事な全滅ぶりに笑ってしまった…教訓:しっかり足元を確認して歩こう。
めだちライトで人気者
追っかけ連中がのび太に投げかける「どうしてそんなにバカなの?」とか「チンパンジーと知恵くらべして勝つ自信ある?」という質問がひどすぎる…これは素直にギャグと受け取ればいいのか、あるいはゴシップに群がる大衆の無神経ぶりに対する批判が込められているのか?
確かコロコロコミックで読んだバージョンでは、「TOKIO」('79年)じゃなく「ダンシングオールナイト」('80年)だったと記憶している。そして最大の違いは、ミツ夫の写真を見たのび太のセリフが、「スミレさんの」から“恋人”に変わっていたこと…うーむ、言われてみれば、この時点でのスミレ(←正確な年齢は記述されていないが、20代半ばぐらい?)と写真のミツ夫(←もちろん小学生)の年齢差から常識的に考えれば、恋人というのは無理があるか。
しかし同様に、息子という推定もムチャすぎる気がするぞ…銀英伝のヤンとユリアンの関係(←「年齢差が5歳なら兄弟で、25歳なら親子だろう。だが15歳というのは、どちらでもない微妙な差」)を思い出したわ。さらに蛇足だが、“ミツ夫”の名前の由来って須羽満夫すーぱーまん  だったのね…知らなかった。
アニメ制作なんてわけないよ
全アニメ業界人およびアニメファン垂涎の道具登場(笑)。しかし現実は、デジタル化が進んでも相変わらずマンパワーに依存する過酷な仕事のままなのであった…。せめて声優の音声合成だけでも実現化しないかねぇ…。
ジャイアンとスネ夫がモデルに描いた主人公キャラ

は、てんとう虫コミックス版のほうが、もっと極端に美形化されていて笑えたな。
ぼくよりダメなやつがきた
このあたりから出来杉が準レギュラー化して頻繁に登場する一方、この話ではのび太より劣るゲストキャラが登場して比較されるなど、のび太のダメっぷりに改めて光が当てられている感じ。当時('80年代初頭)って、受験戦争が激化して社会問題化しつつある頃で、その関係とか?
のら犬「イチ」の国
初めて読んだときは「普通に面白い」程度の感想だったものの、いま読むと(自分でも驚くほど)心打つものがあった。子供時代に怪奇ミステリーにハマった(←これは時代を問わず、多くの少年にとっての通過儀礼だと思う)身としては、“超古代文明”の謎を解き明かすというのは胸踊るものがあるし、時を超えて伏線が収束するSF的な快感もあるんだけど、今回はそれ以上に、神殿に神として祀られたのび太の姿を見たとき、“人が(←犬だけど)なぜ神話を求めるのか?”という心理の一端に触れた気がして、名状しがたい感慨に襲われたんだよね。
「いつの日か、イチの子孫とぼくらの子孫が出会うかも」というセリフと“動物を強制的に知性化させる”というネタから「スズタル中佐の犯罪と栄光」を思い出したけれど、あそこまで想い慕われるとストーカーのような恐怖感があるな…できれば平和的な邂逅となりますように。
のび太が消えちゃう?
これも加筆修正によって、コミックス版とは大きく印象が異なっている。パパの夢のために、自分が消えることを受け入れようとするのび太の姿勢は、本来のキャラクターからすると──あるいは、平均的な同年代の子供の思考としても──違和感があるので、徹底的に抗おうとするコミックス版への修正は妥当だろう。
自身のルーツや、将来の夢に対する決断が描かれたイイ話のひとつであり、これが卒業回であっても不思議ではないんだが…
のび太王国誕生
これが卒業回かよ!(笑) アイデア的には「階級ワッペン」と「ナワバリエキス」の再利用だし、読者の対象年齢としては「のび太の地底国」よりむしろ低下してる印象。
巻末解説
「芸術とは、金儲けと無縁のストイックな仕事であるべき」というのは幻想であり、芸術と金儲け(=社会の一員として経済活動を行なうこと)を両立させた一番の成功例として漫画&アニメを挙げる…という、いかにも村上隆らしい持論を展開。
原作者が(本棚に並ぶ本の種類を不揃いにするような)細かい部分の作画まで指示していたのには驚いた。「のび太の部屋に体温を与える徹底研究」というのは伊達じゃないな。

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