土曜日, 9月 15

ちはやふる第18巻

15日…すなわち今日までの期間限定ポイントは200ポイント弱。流してしまうには微妙に惜しいところだが、なにしろ(例によって)キャンペーンのほうが物足りないのだから仕方ない。
具体的には、恒例の<週末の楽天カード使用で3倍(ツールバー検索でさらに+1倍)><楽天イーグルスが試合に勝った翌日は全ショップポイント2倍を除けば、<発売済み商品を3点以上同時購入でポイント最大10倍><本・雑誌・CDを購入でポイント最大5倍キャンペーン>だけという、とてもBDを買う気になれない状況。

こういう場合はキャンペーンを無視して、(期間限定ポイントを消化できるだけの)なるべく安い商品をひとつだけ買って済ませるのがベターだろう…幸いなことに今月は書籍類が豊作なので、選択肢には困らないし。
というわけで、数ある候補の中から最も低価格であり、また図書券で購入した場合の差額メリットも乏しい、これをチョイス。



全額をポイントで支払ったことから、現金で支払った分だけが対象となる<週末の楽天カード使用で3倍(ツールバー検索でさらに+1倍)>も不適用となり、けっきょく割り増しポイントが得られるキャンペーンは、<楽天イーグルスが試合に勝った翌日は全ショップポイント2倍のみとなってしまったが、別にいいや。

水曜日, 9月 12

屍者の帝国

ニュータイプアニメディア立ち読みの代償として、O書店にて購入。
SFマガジンを1ヶ月遅れで図書館から借りて読んでいる身としては、どうしても情報の入手にラグが生じるわけで、たまたま新聞の書評欄でベストセラーランキング入りしているのを見て、ようやく発売済みなのを知ったという…(←当然、初版なんて望むべくも無いわけで…それにしても、すでに第7刷とはビックリだわ)。

事前に読んだAmazonの書評で述べられていた通り、最大の懸念であった“円城塔の作品になっていないか?”という点については全くの杞憂で、伊藤計劃の遺筆であるプロローグから円城の手による本編へのシフトは、ほとんど違和感なくシームレスに行なわれた。
現代社会のパロディとしてのガジェットが溢れかえるヴィクトリア時代の描写は、どちらかと言うと高野史緒作品に近い印象だったものの、アフガニスタンを放浪する過程で次第に現実感覚が喪失していく辺りの記述は、かなり伊藤計劃のテイストに近いものがあるし。
つーか、主人公たちがアフガン奥地の秘境にカラマーゾフを追い求めるという展開は、まんま虐殺器官あるいはハーモニーのリフレインであって、普通に考えれば伊藤計劃に対するリスペクトという事なんだろうけど、さらに飛躍するなら“伊藤計劃として”作品を書くための習作、もしくは“伊藤計劃になる”ための儀式でもあったんじゃないか…などと妄想を逞しくしてしまう。

検索しても、作中の時代には該当するような人物が(実在、フィクションを問わず)見当たらなかった事からすると、やはりバーナビーとは“あの”バーナビーが元ネタなんだろうか…確かに主人公の相棒(バディ)という役回りでは共通しているかも知れないけど、それを言い出したら“ワトソン”や“フライディ”も同じなワケで、何らかの意図があるのかと訝しんでしまうな。
しかし、よりによってこの名前を、元ネタとは真逆の脳みそ筋肉男(←イギリス人というより、ネイとかダルタニャンみたいなガスコン人のほうが、よっぽど近いと思える…笑)に充てがうあたり、タイバニ腐女子に対する嫌がらせなのは明らかと思える。しかも返す刀で「下着ではないから恥ずかしくない」などとストパンをパロったセリフを吐かせて、萌えオタまで道連れにしてるし(笑)。

ニュータイプ&アニメディア10月号

今日は休日。例によって昨晩は徹夜で英雄伝説をプレイし、第5章まで到達したが、その後は熟睡してしまい、目が覚めたのは午後3時近くになってからだった…いつもより疲れていたというワケではなく、恐らく暑さが和らいだおかげで、眠りを妨げられなかったのが原因と思われる。
夕方にはATMで所持金を補充すべくコンビニに赴き、ついでにマガジンサンデーを立ち読み。マガジンは通勤電車内で拾い読みしたり、職場近くのスーパーで読んだりしていたが、サンデーを読むのは久しぶりだな。
GAN☆KONは掲載されていなかったので、とうとう打ち切られたのかと思いきや、Webサンデーに移行してたのね。神のみは、あの謎の少女がドクロウ室長だったとは…正体はお姉さん系のキャラと予想していたのに(←いや、今のところは年齢不詳と見なすべきで、まだ望みを捨てる必要は無いか)。そしてハヤテは、ついに文までが作画劣化の犠牲に…もうダメだー(笑)。

午後7時ごろ、チャリンコに乗ってO書店へ向かう。風呂から上がった後なので夜風が心地よかった一方、眠気を催す効果もあって、ひとまず引き返して眠りたい誘惑にも駆られたが、また「目を覚ましたら閉店時間の直前でした!」という失敗を繰り返す恐れが強かったので、ここは鋼の意志をもって前進(笑)。
O書店の状況は安定しており、今月もニュータイプ、アニメディア両誌そろって立ち読み可能…後者は見本誌形式だったが、ほかの立ち読ミストの手に渡ることもなく、余裕で読むことができた。

表紙&巻頭特集は劇場版まどか☆マギカ。ただし目新しい情報は見当たらず、今月も実質的なトップ記事はゴティックメード…またかよ!と言いたいところではあるけど、なにしろ上映日が近づいてきたので、当分この態勢は変わらないだろうと、諦めの境地(苦笑)。
それにしても、このロボットのデザインが、今後10年に渡る方向性を決定づけるとは思えんのだが…まぁ児童向け玩具としての発売を前提にデザインされていた時代に比べて、ブレイクブレイド、トータル・イクリプス、スタドラなど近年の作品に登場するロボットは痩せ型が主流になりつつのは事実だし、その点では確かに、かつての永野は先行者だったかも知れない。しかし今回のゴティックメードのデザインは、そもそも、これまでの永野デザインとの決定的な差異が認識できないというレベルなので、それを次世代のスタンダードと言われても正直、困る。

そりゃあ今どきロボットアニメ、しかもそのデザインで客を呼ぶのは至難のわざであって、その意味では、世界観と演出の奇矯さ(←ぶっちゃけて言えば、ウテナっぽさ)を売りにしようとしたスタドラの戦略は、間違っていない…と、企画が動き始めた当時は思えたんだがなぁ(苦笑)。
のちに幾原自身が監督を務めたピングドラムともども微妙な結果に終わったことで、この手のスタイル自体が時代に適応していないと証明されてしまった感がある。
なのに、なぜ今になって映画化? こういった、毎週のテレビ放送を継続的に視聴することで盛り上がるタイプの作品は、そのライブ感こそが魅力の源泉だから、最終回を迎えると「終わってみたら、あとに何も残っていなかった」という空虚感に気づいて、急速に“冷めて”しまう傾向がある…それが、BD売り上げがイマイチだった理由じゃないかと。
言い換えるなら、魅力的なキャラクターやテーマといった強烈な牽引力に欠ける作品ということであって、そんな作品が「映画化するよー!」と言ったところで、それほど多くの客を呼び込めるのか疑問なんだよな…。

やたら映画化の企画が乱発されているように見えるのは、これまでの蓄積によって映画化商法のノウハウがアップデートされ、以前なら損益分岐点ギリギリ(←もしくは不鮮明)と見なされた作品でもGOサインが出るようになったのではないか…と憶測。
そんな“ほんとに利益出るの?”と思わせる企画のひとつがモーパイだけど、監督のコメントによれば、大月Pから「2期か映画化か?」という2択を提示されたので、後者を選んだそうな…原作ストックが残り少ないことなどを考慮すれば、妥当な選択と言えよう。

同じく映画化作品の監督コメントとしては、TIGER & BUNNYの米たにヨシトモいわく、今回は自分の得意技を封印し、作品本来の雰囲気を優先したとの事。確かアニメージュのインタビューでも同じようなこと言っていたが、これは不評だった場合に備えて、責任転嫁の布石を打っているようにも聞こえる(笑)。

改編期直前の号ということで、秋クールから放送の始まる新作が数多く紹介されており、やたら読むのに時間を食った割には、現時点では注目に値する作品は見当たらなかった。
敢えて挙げるならPSYCHO-PASSあたりだが、(IG作品で警察モノと言えば)攻殻機動隊に劇場版パトレイバー、さらにインセプション…と、作品名を列挙して自らハードルを上げているからには、いい物を作る自信があるんだろうな? どうも東のエデンとかナイトレイド並みに、かけ声だおれで終わりそうな予感がするんだけど(笑)。
ジョジョについては、今回掲載されていた版権イラストを見るに、ますますコレジャナイ感が強まったものの、まぁどのように描いたところで当面の間は違和感が拭えないだろうから、気長に慣れていくしかあるまい。(新版HUNTER×HUNTERのように)コンセプト自体を誤るようなことが無ければ、いずれ順応できるだろう。

ここしばらくページを確保し続けてきたイナズマイレブンが、今月は劇場版イナズマイレブンVSダンボール戦機もスルーして、一気ダンボール戦記W単独で掲載という謎の展開…。
しかも取り上げられたのはヒロと愛機ペルセウスで、「アホ毛が共通点」というカッ飛んだコメント付き…いったい何がやりたいんだよ!?(笑)

Fate/Zeroは、シリーズ後半を収録したBD-BOXについて。前代未聞の60分にも及ぶ映像特典だの、PS Vita版のFate/stay nightのPVだのを収録した太っ腹な仕様だそうで、とくに「ufotableのスタッフがZeroに引き続いて、そのままstay nightを制作していたら…」というコンセプトで作られた後者は、かつてstay nightを作ったスタジオディーンをdisりまくりだな(大笑い)。

新連載のコミック悪魔のリドルは、どうにもレトロな厨二病テイストあふるる作品で、作者は誰かと思ったら、なんと高河ゆん(しかも原作のみ)でした…時代の流れに左右されないっつーか、こういう話しか作れないんだろうな(笑)。

本の探検隊は、冲方丁の「光圀伝」…執筆のきっかけになったのは天地明察らしいが、こうなると、もうすっかり時代小説家になってしまったイメージが(苦笑)。
まぁピルグリム・イェーガーシュヴァリエも(舞台こそヨーロッパだけど)時代は近世であって、いちおうは歴史モノの範疇だから、もともとそっち方面の素養があったという事なんだろうな。
個人的には、SFマインドをアニメ媒体で表現できる数少ない脚本家でもあるんだから、そろそろ帰ってきて欲しいところではある──ファフナーも悪くなかったが、それ以外の作品も見たい──ものの、まずは劇場版マルドゥック三部作が片付かないと無理かね…。

コミックス情報も、メインは「光圀伝」のコミカライズ版…って、何かあったのか知らんが、ちょっと力を入れすぎじゃね?
脇のスペースでは、いつもなら3人の選者が各自1本ずつのオススメ作品を挙げているはずだけど、なぜか今回は1人だけで、いつもの3倍という広いスペースを使って取り上げられているのは、なんとナナマルサンバツ…角川の身内びいきと言ってしまえばそれまでだが、まぁ実際、もうちょっと評価されてもいい作品だとは思う。紹介文によると、作者は積極的に、あちこちのクイズ研に取材を行なっているそうで、その成果は確かに感じられるし。
クイズという題材を描くメリットのひとつは、ほかのスポーツなどのジャンルと違って、読者も(ページを読み進める過程で)実際に参加できること…という観点は面白い。

キャラ人気投票は、相変わらずSEEDギアスといった古参組の粘りが目立つ…まぁSEEDはHDリマスター放送、ギアスは新作が劇場公開されており、半ば現役とも言えるわけだが、そういった支援要素がなく、完全にオワコン──この言葉も、めっきり使われなくなったな(苦笑)──と位置づけられるけいおんシェリルこそが、強固な支持層を確保している真の古株(←いやな褒め言葉だ…笑)と言えよう。裏返せば、それら古参組を押さえつけて上位に躍り出るだけの、魅力をもった現役のスターが少ないということか。
いちおう現役でトップ扱いなのは、男女両部門で2位の氷菓ということになるが、これはもちろん角川補正も考慮に入れなきゃならんし、それを踏まえても伸びしろの限界に達した感じがする。
今後これを凌駕できるか注目なのが、男性部門で今回1位をゲットしたソードアート・オンラインだな…ライダーとは異なり、視聴者の願望を代行してくれるタイプのヒーロー──平たく言えば「強くてカッコ良くて、女の子にモテる」という、ずいぶん質の低い理想像ではあるが(苦笑)、そういう俗っぽい要素も、何だかんだで一定の需要があるということだろう──と定義すべきか。
対して女性部門では、アスナは5位にとどまったものの、これは男性部門に比べて上位陣が強豪ぞろいだったことを考慮すべきだし、先週の展開を踏まえれば、来月号では一層の躍進が期待できるはず。一方で黒雪姫は、このまま活躍の場が与えられないと、来月は苦しいか? 今月号に掲載の版権イラストは良かったのに…(←ちなみにアニメディア掲載のイラストも良)。
なお、女性部門の1位にはセイバーが返り咲き。編集部のコメントを信じるなら「女性票のほうが多かった」との事だが、これは解釈が難しいところだな…普通にキャラクター本人への支持票なのか、それともアニメージュにおける神楽(あるいはイナイレ女子マネ軍団)のような、作品そのものに対する支持票なのか。


そしてアニメディアでは、表紙&巻頭特集はTIGER & BUNNY。それに続くは、新規のTV版と劇場版の制作決定というニュースを引っ下げた銀魂。さらに一般特集では黒子のバスケと、腐女子メインの布陣は「いかにもアニメディア」というイメージ。
まぁイナズマイレブンが他作品と同格に扱われている点と、ファイ・ブレインのようにマイナーな作品も──今月は、なんと2ページに渡って(笑)──取り上げられている点で、アニメージュとは明確に差別化が図られているが。

公式サイトを見て、キャラデザの劣化ぶりに衝撃を受けたハヤテのごとく新シリーズは、今回掲載されていた版権イラストでは、アニメの旧シリーズや劣化する以前の原作に近いデザインへと修正され、ややマシになったような印象。まぁ実際に動いているところを見るまで、結論を下すのは早すぎるか。
ところで、肝心のストーリーについては全く情報が無いみたいだけど、一体どうなっているのやら…。

キャラ人気投票は、黒子のバスケ勢がツートップ。それ自体は想定の範囲内だったが、緑の人が含まれていなかったのは意外だわ…てっきり腐女子って、メガネ男子が大好物なのかと(←安易な偏見…笑)。
そう言えばニュータイプに掲載されていた設定資料の中でも、スタッフが「黄色の人気が予想以上だったので驚いた」とコメントしてたっけ。

日曜日, 9月 9

ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち

知名度においては、カエサルは言うに及ばずアウグストゥスにも激しく劣るであろう第2代の皇帝ティベリウスだが(←実際、高校レベルの世界史には登場かったはずだし、“暴君”ネロのように分かりやすいイメージが定着しているワケでもない)、可能な限り神格化を避けようとしたり、就任に際して巨大すぎる権限の分担を求めたりする姿勢は、諸行無常や謙譲を美徳とする精神の持ち主である日本人には、意外と通じるものがあるかも知れない…と思ったり。
まぁ実際には、純粋に(アウグストゥスとは少し違う方面での)リアリストであったがゆえの言行らしいけど。
そして、序文の
>皇帝の悪口を言うだけで済んでいた時代
とか、増税なき財政再建を成し遂げるのに苦労させられた点とか、妙に現代日本と符合する要素が見受けられたり…まだ衰退期じゃなく、高度成長期から安定期へのソフトランディングを模索している時期のはずなんだが(苦笑)。

しかし、せっかく苦労して黒字に転換させた財政も、その後を継いだカリギュラのせいで、あっさり吹っ飛ばされてしまうのだから救われない。
これまで読んで来たおかげで、ほんの少しはローマ(人)っぽい名前や発音がどういうものか分かってきた気がするけど、“カリギュラ”というのは違和感あるな…と思ったら、本名じゃなくて愛称だったのね。個人的に“カリギュラ”と聞いて思い浮かぶのは、昔の藤子マンガ「シルバークロス」に登場した、悪の総統の名前なのだが(笑)。

財政を破綻させた末にアッサリ殺されてしまったカリギュラの次が、歴史家皇帝クラウディウス。いちおう皇帝の血縁とはいえ、帝位に就くなんて自他ともに全く考えていなかったことから、政治にも軍事(←これは肉体的なハンディキャップが原因だけど)にも関わらず、歴史研究家として半生を過ごして来たのが、いきなり運命のいたずらで第4代皇帝として押し立てられる羽目に…と、この“本意では無かったにも拘わらず、歴史研究家としてのスキルを活かして、押し付けられた職務を意外に巧くこなした”という点だけ見れば、銀英伝のヤン・ウェンリーと似てなくも無い?
まぁ一般庶民からの評価が低かったり、シェーンコップの言う“歴史の本道”を歩むことに躊躇を見せなかったり、女性運に全く恵まれなかったり(←最期は、嫁さんに毒キノコ料理を食わされて死んだそうな)…と、ほかの面では類似点が少ない以上、単なる偶然か、部分的にアイデアを利用しただけなんだろうけど。

そして最後を飾るのが、かの“暴君”ネロ…と言っても、ローマで起こった大火事の犯人として、当時はマイノリティだったキリスト教徒に濡れ衣を着せて殺しまくった事により、後世のキリスト教徒たちからアンチ・キリストとして扱われたのが大きいようで。
統治者としての才能や自覚に欠けていたのは間違いないだろうけど、若さと経験不足ゆえの無思慮って部分もあるだろうし。そういうマイナス要素を無視して、“若い”だの“新鮮”だのといったイメージ先行のプラス要素だけを見て支持するような悪しき性向は、昔も今も変わってないなぁ…。
カリギュラという失敗例があるんだから「若輩者に過剰な権力を与えるのはヤバい」という判断が働きそうなものだけど、スキピオ・アフリカヌスのような“早熟の天才”という例外もこれまでに無かったわけじゃないのが、悩ましいところか。

さて、ちょうど巻数としては折り返し地点だし、節電強化期間が終わったから図書館へ入り浸る必要も無くなったわけで、ひとまず今年はここまでにしておいて、つづきは来年の夏に取っておくかね?
今更だが、新聞の書評欄にあったベストセラーランキングを見て、すでに伊藤計劃&円城塔の「屍者の帝国」が発売されていることを知り、そっちを読もうかと思案中…でも、新書版は高いよなぁ(苦笑)。