木曜日, 11月 8

風の伝説ザナドゥII 第2章

些細な変更ではあるものの、意外とストレスに感じられたのが、武器や防具を買ったときの装備状態。前作では、新たに購入したモノを自動的に装備する仕様だったので、そのまま隣にある買い取り屋に行けば、要らなくなった方の品が売却候補リストに挙がっており、すぐに売り払えるという親切設計だった。
ところが本作では仕様が変更され、購入した後に手動で装備を交換しなければならなくなったという…いや、「本来なら、それが当たり前だろ!」と言われたら全くその通りなんだが、前作で敢えてプレイヤーの利便性を優先する方式を採用したのだろうに、それを今回わざわざ旧来の形に戻したというのが意味不明。
初めてプレイした際はこの変更に気づかず、買ったばかりの新装備を、そのまますぐ売りに出してしまったんだよね(←バカ)。

また、前作で特徴的だったヒットポイントがゼロになったら霊体化してしまう設定は、本作では廃止された。蘇生のために、いちいち自力で教会まで戻らなければならないのが「面倒くさい」と不評だったのか、あるいは逆に、霊体になるとモンスターや地形を無視して先の状況を偵察できてしまう点が、ゲームの進行に問題を来たすと考えられた?
それに加えて本作では、回復と蘇生を行なう場所が“教会”から“宿屋”に変更された事もあり、ますます“HP=0すなわち死亡”というイメージが薄らいだように思える。まぁ
①ボコられることで防具の熟練度が上昇する。
②回復ポイントと蘇生ポイントが隣接しており、半端に負傷した状態で撤退するよりも、死んだ方が早く復帰できる。
の2点を前作から踏襲している以上、防具を鍛える過程でHP=0になるのは「ゲームの仕様として織り込み済み」と考えるべきなのかも。だとすると、むしろHP=0すなわち死ではない(かも知れない)ので、それほど深刻に受け取らないように…とボカす方向にシフトしたのは、演出としては正しいのかもね。

またボス戦でHP=0になる事態が頻発することも、ヒットポイントの概念について違和感を覚える理由のひとつだな。
例えば今回…つまり第2章のボス戦では、地面から根(?)を伸ばしてくるという、グラディウス外伝の7面ボス第2形態みたいな攻撃には何とか対処できたものの、ヒットポイントが半減した後に始まる特殊攻撃で大ダメージを食らってしまい、けっきょく勝利するまでにプロテアを2つ消費することになったんだよね。で、今のところ(ショップでは購入しておらず、宝箱から回収した分だけで)19個のプロテアを所持しており、そのうち2つぐらい消費するのは想定の範囲内だろうと判断、そのまま先に進むことにした…本音を言えば、例によってボス戦をやり直すのが面倒だったワケだが(苦笑)。
俺がヘタクソだからゴリ押しクリアしているというのも強ち否定できないけど、(MAX HPの低い序盤においては、実質的に蘇生アイテム扱いである)プロテアがダンジョンのあちこちに配置され、また1個300ジェムという安値で売られており簡単に入手できる点から考えても、やはりボス戦で何個か消費することを想定した難易度設定であると見なすべきだろう。
終盤のボスならば、強さを演出するために「蘇生アイテムに頼らなければ、とても勝てない」と設定するのは分からなくもないが、それは本来の蘇生アイテムであるエリクサーの役割であって、序盤のうちから「何度も死んでは生き返って、ようやく倒せた」というのでは、パワーインフレーションの観点からも興が冷めるというものだ。
やはり“HP=0になるとオートで全回復”というゆとり仕様ではなく、本家ザナドゥRed Potionなどのように“マニュアル操作で回復、ただしHP=0になってしまった後では効果ナシ”とするのが妥当で、ゲームバランス的にも適度な“やり応え”を感じられたんじゃないかと。

さて、上述したように本作では、HP=0になると自動的に宿屋まで戻される(つまり前作のように、あらかじめウイングを装備しておく必要が無くなった)。だから本作ではウイングの存在自体も廃止されたのかと思いきや、第2章になってから登場…マニュアルに載ってるだろ!とツッコまれそうだけど、こちとらマニュアル見ないでプレイし始めたもので(苦笑)。
しかし、そのマニュアルの記述が謎…
いや…だから装備してなくても、HPがゼロになったら普通に宿屋まで戻されるじゃん。スタッフの勘違い?
ともあれ、装備として使う機会がなくなったのは事実であり、そうなると、あとは普通に街まで帰還したい時──情報確認やフラグ立てのために街の住人と話したいとか、ジェムが貯まったので装備を買い換えたいとか──に使用するぐらいしか、使い道は無さそうだ。

ここに来て新たに不安を感じ始めたのが、シナリオのボリュームについて。
まず第一の根拠として挙げられるのは、武器および防具のランクアップするペースが、前作に較べて早いように思えること。前作では、1章(=ショップ)につき1~2段階ずつランクアップしていった(←これはアイテム名の一部を、本家ザナドゥから引用したことにも関係しているのだろうか? つまり武器・ヨロイ・シールドは、いずれも本家ザナドゥと同じく全部で17種類ずつあり、それらが全12章に配分されたので各章ごとに1~2種類とか…いや、確かめてないので全くの憶測だが)のに対し、本作では各章ごとに武器・ヨロイ・シールドいずれも2種類ずつ用意されており、もし全部で17種類だとすれば早々に最強ランクまで到達してしまうのではないか?と懸念される。
第二の根拠は、マニュアルに記載されているボスの数が、たったの5体である点…どう考えても少なすぎなので、まだまだ隠し球が存在するのだろうとは思うけど、もし仮にこれで全部だとすれば、第4章で話が終わってしまうことになるな(笑)。
そして第三は、ストーリーの構造が単純で、1章ごとの厚みが極めて薄いように思える点。前作では街とフィールド、そしてダンジョンを何度も往復してフラグを立てなければ話が進まなかったのに対し、本作では今のところ、街からフィールドを経由してダンジョンまで、ほとんど一方通行か、せいぜい一往復するだけで、ひとつの章が終わってしまうようなケースばかり。
確かに前作は、フラグを立てるための“お使い”が長々と続いてウンザリさせられた(←明らかに、話を引き伸ばすためとしか思えないようなサブクエストを押しつけられる事もあったっけ…)けれど、少なくともシナリオのボリュームは充分だったし、(面白さや独創性の面ではともかく)バリエーションが多様だったので退屈することは無かった。
一方の本作は──この点だけ見ると、まるで初心者向けに立ち返ったかのごとく──陳腐で平板な一本道のシナリオが、それもアッサリと終了するので、まるで手ごたえが無いんだよね。メインストーリーについても、現時点では“新大陸の探検”という漠然とした目的しか与えられていないこともあり、どうにも気合いが入らないという…。いちおう話の横糸として“アリオスの嫁選び”という要素もあるようだけど、それこそ個人的にはどーでもいいし(苦笑)。
ただひとつ気にかかっている要素としては、謎の男の正体ぐらいだな…ありがちなパターンとしては、前作で死んだはずのアリオスの兄貴が、じつは生きていた!という展開とか? 手詰まりで放置している英雄伝説2のシンディと、どちらが意外性のある正体なのか(笑)、ちょっと楽しみではある。

月曜日, 11月 5

風の伝説ザナドゥII 序章~第1章

クリアした後でまとめて感想を書こうとすると、文章量が膨大になって時間も相当かかってしまうため、区切りの良いところで小まめに記述するよう変更することにした。
…というわけで前作をクリアした流れに乗って、そのまま風の伝説ザナドゥIIに挑戦。これまでに、序章から第1章までの攻略を終えたところである。

まず最初に触れておかなければならないのは、マニュアルのショボさ。

前作は、ヒント集も付いてフルカラー48ページという豪華な仕様だったのに…


本作では半減して24ページ(しかも表紙以外はモノクロ)に劣化しているという…。

まぁ発売時期を考えると、前作はファルコムにとって初めてのPCエンジン(しかもCD-ROM方式)の作品ということで気合いが入っていたのに対し、本作がリリースされたのはPCエンジン時代が終焉を迎える頃だったそうで、なるべくコストをかけずに済ませようという方針だったのかも?
あるいは続編ということで、操作系やパラメータ、アイテムなど基本的な部分の多くは前作を踏襲しているため、改めて詳細に記述する必要を認めなかったという面もあるかもね…実際、マニュアルを読まずにプレイし始めたけど、ほとんど困らなかったし(笑)。

ゲーム本編で気づいた点を列記していくと、まず敵の攻撃アルゴリズムが変わったのではないか?ということ…前作では、いったん接触して交戦状態に入った敵はそのまま攻撃を継続してくるので、こちらは棒立ちしているだけでタコ殴りされて、どんどん防具の熟練度を上げることができた。
ところが本作の敵は1発こちらを殴ると、それだけで満足したかのように離れてランダム移動モードに戻ってしまうため、またいちいち敵を追いかけてはダメージを食らう…という作業を繰り返さなければならず、やたら熟練度を鍛えるのに手間どったのである。まぁ、これはまだ序盤だからであって、今後は積極的に攻めてくる敵が増えるのかも知れないが。

ステータス画面は、前作よりも整理されて見やすくなった。とくに武器や防具を交換した際に、わざわざ画面を切り替えなくてもパラメータの増減を確認できるようになった点は、素直に評価できる。

システム設定の切り替えスイッチが、相変わらず1画面に収まらなかったのは残念だが、これは許容範囲内だろう。まぁ最大の評価ポイントは、無意味かつ鬱陶しいアリオスの顔アップが消えたことなんだけどね(笑)。

謎解きに関しては、(少なくとも今のところでは)前作より難しくなったかも…という印象。つーか、上甲板のカギが見つからなくて、あやうく(また)序章で手詰まりになるかと思った…続編だからといっても、一度開けた宝箱をもう一度閉じたら隠し通路が現れるとか、最初からヒネり過ぎじゃね? まぁ、それだけRPGに慣れたプレイヤーが増えたということなんだろうか。
だとすれば…第1章における砂漠の遺跡への進入方法は(前作の最終ダンジョンなどと同じく)ぎりぎりマッピングしなくてもクリアできる程度の絶妙な複雑さだったけど、この先もっとややこしくてマッピング不可避なダンジョンが登場する可能性も考えられるな。

サイドビューモードについては、幾つかの点において前作から改善されているものの、根本的な問題は解決されないまま。
とりあえずムダな前哨戦が削減され、ザコ敵や地形でジワジワとダメージが累積するストレスが無くなったのは喜ばしい。またボス様の前口上が省略され、すぐ戦闘が始まるようになったことも好感できる。あとは…最初から仲間が付いてきて、しかも事前に誰を連れて行くか選べるようになったのだが、これは今のところ、あまりメリットが感じられないな。
何にせよ、ボス戦そのものが大雑把で爽快感に欠けるという、前作における最大のマイナス要素は大して変わっていないようだし。序章はともかく、第1章のボスはひどかった…アーケードゲームの“2面ボスは初心者殺しの法則”じゃあるまいし(苦笑)。
こちらの動きが遅すぎる(←つーか、ボスの動きが早すぎ。先読みして狙い撃つのさえ難しいとか…そもそも、行動パターンが読めないのでデタラメに撃ちまくるだけなんだが)うえに、特殊技がチャージされるまでの時間も長くて、なかなか効果的な攻撃ができない。
いいかげん腹が立ったのでステートセーブを使いまくり、こちらの攻撃が1発ヒットするたびにセーブ、ダメージを食らったらリセット…を繰り返して、ようやくクリアすることができた。

ほかに細かいところでは、街の住人がウロチョロと動き回るようになったせいで、話しかけるのが難しくなったような気がするな…まぁ代わりに、前作におけるストレスの一因だった“日が暮れて、眠っている間は会話できない”という仕様は廃止されたので、ドッコイドッコイといったところか。