木曜日, 7月 19

魔法少女リリカル なのは The MOVIE 2nd A's鑑賞

今日は夜勤明けだが、勤務終了後は帰宅せず図書館に直行。いったん職場に戻って昼食を摂ったのと、何度か浅い眠りに誘われた以外はブッ通しでシルマリルリオンの続きを読み耽る。節電ピークタイムの終了が近づいてきた頃、ちょうどベレリアンド滅亡の章を読み終わったので、これを区切りとして家路につく。
家に戻ると、荷物だけ置いて直ちに床屋へ。ここのところ、髪を切りに行こうとするたびに雨が降って断念…の繰り返しだったけど、ようやくバッサリと切ることができた。これで少しは、暑苦しさもマシに思えるはず。
その後は、同じ大通り沿いのO書店に移動してニュータイプアニメディアを立ち読みする計画だったのだが、数日前にチェックした際には確認できたアニメディアの見本誌が無くなってしまっており、シュリンクされた1冊を残すのみという状態。ニュータイプのほうは見本誌が健在だったので、ここで読むという選択肢もあったのだが、なるべくなら両誌とも目を通しておくに越したことは無いため、明日にでもD書店の状況を確かめるとして、ひとまず保留扱いに。

そんなわけで急きょ、本来は明日に予定していた劇場版リリカルなのはA'sの鑑賞を前倒し。2時間半という尺の長さゆえ、ラスト上映の開始時間も比較的早く設定されていたが、いきなりの予定変更にも拘わらず、シネコンに着いたのは上映開始20分前という絶妙なタイミングで、どうやら運には見放されていなかったらしい。

やはり長丁場なので、尻が痛くなった…消失ハルヒを観た年代物の映画館とは違って、こっちは真新しいシネコンなんだが、長時間の着座に耐えられるほど快適な座席というのは、未だに開発されていないらしい(苦笑)。
これでも、もともと1クールだったTV版を必死に圧縮したんだよなぁ…。しかし、やはり削った分だけ情感が失われて忙しない印象になってしまった…基本的に、気兼ねなくカットできるようなセリフやエピソードなんて殆んど無いワケだし。そうなると──たとえ、いかに名セリフ・名場面であっても──本筋に絶対必要でないものは削除or改変せざるを得ないわけで、フェイトの転入&引っ越しエピソードなどは見事に、その対象となってしまった(高町ファミリー…泣)。
しかし、TV版の第1話ラスト──「仲間か?」「友達だ」──にまで手を付けたのは、さすがに看過し難い…やはり都築としても抵抗があったのか、いちおう改変された形で残っているものの、そういう中途半端な処置は逆効果で、却って原典の良さを想起させてしまっている気も。

最大の変更点は、言うまでもなくグレアム一派の存在抹消だが、その代役として、事態の責任を全てプログラムに押し付ける形にしてしまったのは、いささかヒネリが無いようにも感じられた…まぁこの点に関しても、尺の削減が最優先ということだろう。
しかし、公開前のアニメ雑誌に掲載された記事には、見事に騙されたな…てっきり、グレアムの役回りをリンディが果たすものと勘違いしてしまったわ。実際には、大幅にアレンジされたのは序盤だけで、むしろ後半の立ち位置はTV版と大差なしだったという…その序盤にしても、リンディVSシグナムが見られるかと期待していたのに、対峙しただけで戦うことなく終了とか、肩透かしもいいところ。
まぁ、自分(のリンカーコア)を囮にしてヴォルケンを誘い出そうとする展開については、良改変だったと思うけど。

全般的に、TV版の時点で良かった部分については、どうしても劣化するか、せいぜい同レベルを維持するのが精一杯だったという印象。まぁリィンフォース命名のシーンは、ヘタに弄って失敗するリスクを冒すより、Snow Rainのままにして正解だったな…フェイトの脱出シーンを切り離したせいで、感動が半減してしまったのはいただけないが。
SS02は、冒頭の一部のみを(はやての最初の覚醒時ということにアレンジして)利用するという扱い…まぁこれも尺の不足と、1stの反省(←同じくSS02を組み込んだものの、けっきょく中途半端な分量になってしまった)を踏まえての決断だったんだろう。さすがに「過去編を丸ごと入れろ」とか無茶なことは言わないけど、はやてと別れた後の、闇の書の嘆きと祈りのセリフは使って欲しかったところ…どうも劇場版では、闇の書は最初から諦めモードだけが濃厚というイメージだった気が。

田村ゆかりは「出番が少ない」と不満だったらしいけど、むしろA.C.Sバレルショットが一定の効果を発揮していたり(TV版では通用しなかったような描写だったのに対し、今回はフェイトとはやての精神世界を揺るがせた)、主人公らしく大ピンチに陥ったり(←チェーンバインド+新必殺技によるコンボ。まぁ、それを救ったフェイトが、オイシイところを持っていく格好になってしまったが…苦笑)と、TV版よりはマシな扱いだったんじゃね?
ただし、前半にあった修行シーンだけは、ちょっと違和感あり。フェイトはともかく、なのはは砲撃メインなのに剣術修行って…しかも、異様に動きがいいし(←魔法を使っていたというのなら、そう見える描写が無いのは問題だろう)。

ユーノは最初から無限書庫に詰めている設定となり、序盤の戦闘に参加できなかったせいで(←人員整理の観点から、これは正しい処置だけど)、数少ない戦闘シーンでの活躍をカットされてしまった一方、クロノのほうはラスト以外の出番を大幅に削られてしまったにも拘わらず、そのおかげで却って評価を下げずに済むなど(←TV版では、スティンガーブレイドをザフィーラに防がれたり、仮面の不意打ちキックを食らったりと、散々な扱いだったし)、名を捨てて実を取った感がある。
いちばん不遇な扱いだったのは、エイミィかね…修復されたデバイスについての解説役をマリーに取られるなど、見せ場がゴッソリと削られていたし。次点は、一人だけ自己紹介をカットされた(笑)アリサで決まり。

アルフについては、リンディの引っ越しを手伝うシーンの追加(←しかも、新規に描き起こされた私服バージョンで)もあって、TV版より目立っていた印象だが、これは大きなデメリットを伴ったように思える…アルフがフェイトの代弁者のような役割を担う形になってしまった事で、リンディとフェイトの直接的な関係の描写が減ってしまったんだよね。
まぁ尺の関係上、この映画のテーマを“はやてとヴォルケンたちの話”に絞り込むのであれば、あまりフェイト関連の描写に肩入れしないのは適切な判断とも言えるが、この“最終的に、フェイトがハラオウン家の養子になる過程を描いた一連のイベント”の大部分が省略されたことにより、闇の書が作り出した夢の世界から脱出する過程の説得力が、やや弱まってしまった気も。

キャラデザに関しては、前作と同じく、動いているのを見れば特に違和感は無い。日常パートのヴィータが、やたら可愛く描かれていたのが印象に残ったけど、贔屓の作画マンでもいるのだろうか?
ちょっと気になったのは、水樹の演技に力が入り過ぎているように思えた点…まぁBLOOD-Cなどを経験して、ドスの効いた声を演じられるようになったのは良いのだが、(StS時代ならともかく、この当時の)フェイトのイメージとしては、ちょっと逞しすぎるだろうと(苦笑)。