金曜日, 11月 18

非対称戦争以後のロボットアニメについて考えてみる

リアルロボットアニメの“リアル”が指すものについては色々あるが、ここでは“現実世界との関連性”という意味で捉える。
さて、911の直後に富野戦争と平和の中で語ったように、いわゆる非対称戦争において、拠点や前線という概念は存在しない。
戦争と平和

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その結果、戦車や戦闘機といった兵器は、従来に比べて役割を縮小することになり、そのメタファーである巨大人型ロボット兵器が戦場で活躍する姿も、必然的にリアリティを失うことになった。
そんな時代にあって“リアルな”ロボットアニメとは何ぞや?という命題に対し、的確な答えを返した作品は、ほとんど無かったんじゃないだろうか。
敢えて言えばコードギアスあたりが最も近いのだろうけど、あれはロボットを添え物扱いしていた感が否めない…まぁそれを言い出せば、昔からリアルロボットアニメは「番組内にロボット(=オモチャのCM)さえ登場させれば、あとは何を描いてもいい」という条件を逆手にとって、好き放題なテ-マを扱ってきたわけだが(笑)。
フルメタル・パニックは原作の時点で、国家間戦争よりテロ(組織)に重点を置いていたものの、あいにく原作をほとんど読んでないし、アニメ化された部分だけでは非対称戦争の要素をそれほど含んでいるようには思えない。
無い物ねだりをするなら、伊藤計劃が存命であれば、いずれガンダムなり他のアニメなりの脚本を手がけて(←あるいは、虐殺器官ハーモニー自体が映像化される可能性すらあったかも)、その名をさらに広く知らしめたのではないか…と、それも今となっては叶わぬ夢となった。
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そしてビンラディンが死に、アラブの春を迎えたことで、非対称戦争の時代そのものが終わりを告げた可能性もある…この点に関しては、もう少し時間が経たないと正確な判断は難しいが。
では仮に、時代が移り変わりつつあるとして、その新時代において“リアル”なロボットアニメとは、如何なるものだろうか?
安直なバタ-ンとしては、強まる中国の軍事拡張路線をイメージして、「新興の覇権国家と、それに対抗する自由主義陣営」という、古びた“大きな物語”の復活を模索する選択肢が考えられる。
そのメリットは、数多くの先行作品をモデルとすることで、リスクを低減できる点にある。また、この手の“戦記モノ”は(三国志モノや戦国モノの需要が尽きないように)、時代に拘わらない普遍性を備えたエンタメとして、うまくいけば(ファーストガンダムのように)無限に近い寿命を得られる可能性を有する。
まぁ逆に、王道転じて陳腐と見なされる危険も高いわけで、その点がデメリットではあるのだが。

あるいは「おもに新興国の発展に伴う人口増加と、その影響による食糧と資源の枯渇、そして環境の破壊によって、世界規模で対立と混乱が強まる」といったような未来予想図も描けるだろう…ガンダムで言えば、(ユニコーンオリジンで少し語られた)宇宙世紀前夜のような状況だな。
ともあれ“非対称”戦争は、富める国家(近代的秩序)と貧しい国家(前近代的)との“アンバランス”が背景にあった。しかし、上記のように巨大国家(国際秩序)が弱体化して無秩序・群雄割拠のような情勢となれば、地域紛争や暴動鎮圧が多発するかも知れない。
そういったシチュエーションでは、巨大(←と言っても比較的小型のイメージだが)ロボットに活躍する余地があるから、そこに新たな“リアリティ”を見出せる可能性もあるか。

では逆に、今なお非対称戦争が継続中であるとすれば、どうだろうか? 上述したように、非対称戦争の時代を的確に反映したロボットアニメは未だ作られておらず、できることなら新たな時代に突入してしまう前に、この時代を総括し、代名詞たり得るような作品が生まれて欲しい…というのが、個人的な願望なんだけどね。
で、その手がかりになるんじゃないかと勝手に思い込んでいるのが、なんとダンボール戦機だったりする。

一方、かつて「人型ロボット兵器は使い勝手が悪い」という観点から“リアルさ”にアプローチして、その使いづらい兵器が何とか活躍できるシチュエーションをお膳立てするために、世界観とストーリーを用意する…という、なんとも回りくどい方法論で作られたのが、ある意味で極限のロボットアニメと言えるガサラキ
そこで提示された結論は“極めて限定的なインドア・オペレーションであれば、なんとか使える”というものだったけど、その制作当時と今とでは、状況が大きく変わった。

非対称戦争という状況では、巨大ロボットが活躍しづらいという点はすでに述べたとおりだが、それに加えてエコロジーの観点からも、エネルギーを食いそうな巨大ロボットは相応しくないし、また携帯電話が当たり前のデバイスとして普及して、コンピューターがスマートフォンのサイズまで縮小された時代にあっては、LBXのような小型ロボットが活躍する事こそ“リアル”なのではないだろうか。
高コストの割に使い道の少ない巨大ロボット兵器ではなく、さまざまな状況に利用可能な小型ロボット兵器のほうが優れているのは明らかであり、しかもそれを“リアル”と感じられるだけの技術的・文化的バックグラウンドが、現実世界において整いつつあるわけだ。

もともとダンボール戦機は、恐らくプラレス3四郎プラモ狂四郎の延長上に位置する、純然たる児童向け企画だったと推測される。
まぁ作中では、首相の暗殺計画だのセキュリティ破って建物に不法侵入するだのといった物騒な使われ方も描かれたものの、それらも含めて飽くまで“児童向け作品”という文法に則って演出されている。
だが、こうした小型ロボットの活用法は、「お行儀の良い」児童向け作品の枠内だけに納めるには惜しい。もっと容赦なく、残酷な現実を描くことのできるリアルロボットアニメの世界でこそ、本領が発揮されるのではないだろうか。
「戦略は政治に、政治は経済に従属する」とは銀河英雄伝説のセリフ(←さらなる元ネタがあるのかは知らない)だが、今は“血を流さない戦争の時代”とも言われる。非対称戦争で“最前線”の概念が失われたように、今どきの経済戦争においても、やはり前線は明示されることなく、通貨・条約・情報といった“兵器”だけが激しく飛び交っているわけだが(←こういうネタは、新城カズマが得意そうだな)、とりわけ情報レベルに関しては、小型ロボットの活躍できる余地がありそうだ。
サイズの小ささを生かして政府や軍、あるいは企業の施設内に潜入し、情報を盗み出すというのは、ダンボール戦機でも描かれた用法だし、そのアレンジとしてデータの改竄や破壊、ウイルスの注入、システム乗っ取りによる現実世界への破壊活動…なども、情報・社会インフラに対する攻撃として有効だろう。
もちろん、システムのコンピュータにアクセスするのは、電子戦専用機の役割。グフカスタムのヒートロッドやハンブラビのウミヘビよろしく、機体からUSBケーブルを伸ばして接続する描写は必須ということで(笑)。
そういったハッキングを終えるまでの間、阻止すべく襲ってくる敵機を、護衛機が死守しなければならないというミッションは、アニメであれゲームであれ(←どっちが原作になるかは分からないが)お約束だが、燃えるものがある。
社会インフラのうち、最大の被害をもたらす攻撃対象といえば、やはり原発だろうか…今のご時世では、テレビアニメとして放送するのは困難だろうけど。まぁ“N”は無理でも、BC兵器としての利用なら描写できる可能性はあるか。食品工場や水道局に潜り込み、病原菌や有害化学物質などを混入して大量殺人とパニックを引き起こすわけだ。
あるいは原子力ではない普通の発電所を襲って、大停電を引き起こすというのも、社会に打撃を与える描写としてはアリだろう…画面を真っ暗にすることで、作画スタッフへの負担も軽減できるし(笑)。

以上は戦略レベルでの運用だが、戦術レベルの描写についても、リアルロボット的なアプローチは色々と考えられる。
一番のキーポイントは、動力源だろうか? 侵攻側は(輸送用の車両や航空機の支援を得て、可能な限り目的地に近づくのは大前提として)、目的地に到達するまでは外付けのバッテリーを利用し、いざ作戦行動を開始する際には(戦闘機が増槽をパージするような感じで)それを切り離して軽量化を図る…という描写は、外せないところ。
作戦行動中は内部電池に頼ることになるだろうけど、上記のような重要施設を防御する側なら、施設そのものから有線で電力を確保し(←エヴァのアンビリカルケーブルだな)、長時間稼働できることで、侵攻する側よりもアドバンテージを得ようとするはず。
逆に侵攻側は、そういった電源を奪い取ることで不利を回避しようとするだろうが、それを阻止するために、敵が利用できないよう独自の規格(←業務用コンセントのような形)を採用しているとか。
奪取が無理なら、次善の策としては、電源コードを切断して敵機を機能停止に追い込むべきかね。アニメのロボットが、銃火器と同等以上に刃物(←とくに刀剣の類)をメインウエポンとして運用している点には違和感があったけど、コード切断用ということで説得力を与えられるかも…でもまぁ絵的には盛り上がりに欠けるか。そういう使用目的なら、剣よりもぺンチみたいな形状のほうが説得力ありそうだけど、「なんだかガオガイガーみたいだ」とか言われそうだし(苦笑)。

ロボットを外部から操縦するタイプの作品は、パイロット搭乗型に比べて、操縦者とロボットの一体感を演出しづらいという欠点がある。
また搭乗型は“敗北=搭乗者の死”というリスクに直結しているからこそ、ドラマとして盛り上げやすいという面もあるわけで、そこに断絶の存在する外部操縦型は、もともと人の生死をダイレクトに描くには不向きと捉えることもできる…実際、先行する作品の多くは競技や、せいぜい警察犯罪レベル(←鉄人28号とかね)の枠内に収まっているし。
じゃあ小型ロボットと戦争モノは相容れないのかと問われれば、そんな事は無いだろう。機関銃の導入、ゲリラ戦が主体のベトナム戦争、“ニンテンドー・ウォー”と呼ばれた湾岸戦争、そして非対称戦争…と、戦争の概念がパラダイムシフトする度に、戦場から人間性やヒロイズムが喪失したと嘆かれ続けてきたわけだし、伊藤計劃虐殺器官で描いたように、徹底して人間性や物語性の欠落した状況こそが“今どきの戦争”としてリアルなのだという見せ方もあるはずだ…ただし、それが映像作品として商業的に成功するかどうかは別問題なんだよな。
結局のところ、時代性を嗅ぎ取り、作品として昇華できるだけの実力を備えたクリエイターがいるかどうか?という、当たり前の話に行き着いてしまうか。

木曜日, 11月 17

サンデー&マガジン

映画を観終えて帰宅すると、またもや眠気が襲ってきた…もう、一体どうなってんだよ!? まぁ時間的に余裕はあるので、ハーフプライスタイム(笑)の始まるまで仮眠をとる。
だが、適切な時間に目を覚ましてスーパーに遠征し、いつもなら頃合いという時間帯にサンデー(←1日遅れだったので当然ではあるが、残り1冊だけという際どい状況)とマガジンを読み終えたにも拘わらず、まだ寿司も刺身も30%引きのまま…べつに閉店間際まで粘って食いたいという気分でもなかったので、そのまま引き上げる。

絶望先生
今回のお題は、自殺未遂失敗。自殺者の中には、未遂で終わらせるつもりが失敗して、ほんとに死んでしまう者もいる…というネタを発展させて、「冗談のつもりだったことが、本当に(大騒ぎに)なってしまった」系の話題あれこれをピックアップ。偽札作りをネットで実況して捕まったという時事ネタなどはタイムリーではあったが、べつに面白くは無い。
結局この作品自体を「ネタとして終了と言っただけなのに、ほんとに終わる」というネタとして…って、あーもう、ややっこしい!(苦笑) 要するに、自虐というかセルフパロディネタはサブ扱いにすべきであって、話のメインに持って来てもサムいだけ…という典型例。

ハヤテ
それほど久しぶりという気はしないが、せっかくのサキさん回なのに、つまらなくて勿体ない…。とりあえずカレンダーにチェック入れる時は、単なる印だけじゃなく具体的な要件も書いとけよ!

機動戦士ガンダムUC 4鑑賞

今日は休日。昨日の時点で大きな用事を3つ片づけたので、今日はスケジュール的に余裕がある一方、やはり無理をした反動か、昼間にかけて爆睡してしまった。
というわけで結局、最後から2番目の上映時間に、しかも始まるギリギリ直前に駆け込むという慌ただしいことに…まぁ眠気と疲労を完全に解消し、ほぼベストの体調で臨むことができたので悪くはないか。とはいえ、あの映画の内容では、眠気だの疲れだの感じているヒマも無かっただろうけど。

本編の前にテンションを高めておく&ストーリーを思い出すために、前回までのあらすじを流すという方法は間違ってないと思うが、さすがに少し長すぎで、むしろダレてしまいそうになる…まぁダグザの死ぬシーンは、曲の効果も相俟って、やっぱりグッと来るものがあったけどね。あと、(シャアじゃない)池田秀一の声って、あんまりナレーションに向いてないような…でも永井一郎はサイアム役だし、他に適切なナレーション役も思いつかないから、仕方ないか。

かなり原作の話を忘れてしまっている事もあるけど、細かいセリフに関しては改変されているのかどうか判別できなかった箇所が多々あり。もちろん大筋のストーリーが大幅に改変されているのは明白なのだが、にも拘わらず根幹の部分では「紛れもなくユニコーン」と思えるような内容に収まっているあたり、スタッフは原作の本質をきちんと見極めていると高評価。
それにしても、脚本を大幅に改変した効果は絶大だな。なにしろ前巻までは、尺が足りなくてキチキチに詰め込んでいたのに、今回は冗長に感じられる部分さえあるという…クライマックスの、ロニは死ぬのか助かるのかという部分は、さすがに引っ張り過ぎじゃないかと。まぁこれは「リディがとどめを刺す」とネタバレ食らっていたせいであって、もし知らなければ、いい塩梅にハラハラさせられたのかも知れんけど。

まぁ仮に冗長な部分を圧縮したとして、その代わりに入れるシーンというのも、とくに思いつかないしなぁ…これ以上メカ関連の作画を増やしたら、スタッフに死人が出るだろうし(笑)。
原作で削られたエピソードとして、はっきり覚えているものといえば、①ダカールでシャンブロと戦っていたGMのパイロットが、リディに決死の思いを伝える。②ジンネマンが砂漠越えの成功を祝して、バナージに酒を飲ませる。③ロニの案内で、ダカールの連邦憲章を見る(←重要な伏線だが、どうするつもりなんだろ? まぁ、このスタッフに抜かりは無いと思うが)。④トライスター登場時の踏み台パロディ(←これはどうでもいいな)…と、これぐらいだけど、いずれもカットして差し支えないか、入れるのが無理なものばかりだし。

他に不満点と言えるのは、艦長室にあったアムロの遺影が少し大きすぎないか?(←まるでポスターみたい)とか、ブライトの顔が少し横幅ありすぎじゃね?(←まぁ加齢によるものと考えれば、許容範囲ではあるんだが)ぐらいか…声については、予想通りとはいえ全く違和感なかったけどね。
あとは、シャンブロがメガ粒子砲を発射しようとするたびに、いちいち砲口を開くプロセスが描かれるのも、クドかったな。
シャンブロ自体は、申し分のないカッコ良さだっただけに惜しい…かつて樋口真嗣が、モデルグラフィックス誌上で「水中用MS/MAは“メカ怪獣”である」と喝破していたが、まさしくそのノリ。アームを伸ばしてヒマラヤ級原子力空母を襲撃するシーンなんて、ウミヘビか大ダコの触手にしか見えんし。
トリントンに対する沿岸部からの攻撃は、ファースト第26~27話のベルファストをリスぺクトしているような印象。しかし連邦側MSの大半がGM系だったのは、ちょっと地味だった…まぁこの時代の連邦軍の状況を考えれば妥当だし、ジオン側がバリエーション豊富すぎたのでバランスをとったという面もあるか。いい勝負になるよう、戦力的な意味でのバランスを考慮したのも間違いないだろうな。
それだけに、バイアランの活躍は際だっていた(笑)。対空迎撃機なら、普通は(Zのダカールみたいに)アッシマーあたりが配備されてるんじゃねえの?という気もするけど、これは次回にアンクシャが多数登場するので、カブるのを避けるための処置だと肯定的に解釈しよう。
でもガルダを軌道プラットホームとして運用するのなら、アッシマーよりもギャプラン系の護衛機を搭載した方がいいと思うんだけどね…ギャプランならブースターを増設することで超高々度まで上昇できるから、打ち上げたシャトルが大気圏離脱するギリギリまで、随伴できるというメリットがあるし。
アンクシャと同じ開発コンセプトで、ギャプランにGM系のパーツを共有させた、アニメ版オリジナルの機体が登場したら…などと妄想。

蜂起の呼びかけを受けて、ジオンMS軍団が次々と隠れ場所から姿を現すシーンは、ほとんどホラー映画の、墓場から蘇るアンデッドのノリだった(笑)。
しかし、ダカールとトリントンの両方に登場するカプールは、ちょっと優遇されすぎ。どちらか片方はハイゴッグあたりに変えて欲しかった。

気になったのは、ダイナーの主人がミネバに対し、自分たちの世代の失敗を若い世代に押しつけることについての、複雑な思いを吐露するシーン。もともとユニコーン自体が抱える“世代と継承”というテーマに基づいたものだろうけど、311を経た後では違った意味に聞こえる…いや正確には、単に“物語を駆動させるための前提”でしかないと思っていたフィクション世界の問題が、現実世界にも共通するものなのだと、今更ながらに実感させられたという事なのだろう。
ところで原作を読んだ時には、ミネバの食い逃げ疑惑についてツッコミを入れたものだが、どうやらキチンと支払われたようで安心した(笑)…しかし払ったのはミネバ本人か、それとも追っ手なのか?という新たな謎が気になって、やはり落ち着かないのであった(笑)。

最後をバンシィ出現のシーンで〆るのなら、スタッフロールに入る前に“episode 5 黒いユニコーン”と文字だけの予告を先に挿入したほうが、原作未読の者にはインパクトあったんじゃないかと…まぁ流れが途切れてしまうのと、スタッフロールの後に改めて通常の予告が出た際に、しつこく感じられてしまうデメリットもあるから、難しいところだな。

#15 Don't Waste Mattocks & ladders

ようやくアースエレメンタルプレーンの解説に入ることができる…とにかく攻略法を忘れないうちに書き上げてしまわないとな。
と、その前に独り言…先日の本スレに取り上げられたサイトにて、XANADUモンスターの多くについて、その来歴を知ることができたわけだが、意外なところでWizとつながっているネタがあった点については、やや困惑を隠せない(←まさかKelkedorlが、KALKYDRIの事だったとは…)。まぁ今さら変更するのも難しい&面倒なので、ここはスルーするしか無いんだけどさ。

さて、それでは本題に入ろう。ファイヤーエレメンタルプレーンの攻略を済ませ、その終点にあるDragon Caveを通って再びLevel.11に進むと、第1区画の右下にある、周りを完全にテクタイトで囲まれた1ブロック四方の空間に出る。


このブロックには敵も配置されており即座に戦闘開始となるが、戦闘フィールドの四方が壁に囲まれる(←コズミックキューブのモザイク区画にいたVAMPIRE LORDHIGH WIZARDと同じ)ため、Mantleを使わなければ離脱することができない(画像左)。
もし左側に離脱したのであれば、なんの支障もなく第1区画に入れるものの、この区画をクリアするには敵を利用する必要がある(←後述)ので、この左側の壁をSilver RoseMattockで切り拓いて、敵を外に出さなければならない(画像右)。
 

それ以外の方向に離脱しようとした場合はテクタイトの厚い壁に阻まれてしまう(画像左)ため、やはりSilver Roseを使って、左側のテクタイトを人面石に変えて脱出することになる(画像右)。
 
どちらにせよSilver Roseが必要になるわけだが、これは事前に、ファイヤーエレメンタルプレーンで入手しているはずなので問題ない。
このような仕掛けを施した理由は、何度も繰り返すように、とにかく電撃戦を許さないという基本方針による。Black OnyxもしくはFire Crystalを使ってDragon Caveのすぐ近くにワープアウトすれば、コズミックキューブ(Level.7もしくは9)からファイヤーエレメンタルプレーンなど(Level.8)をすっ飛ばして一気にアースエレメンタルプレーン(Level.11)へ到達することは可能であるものの、きちんとファイヤーエレメンタルプレーンを探索してSilver Roseを入手していない場合、ここで手詰まりになる…というわけだ。

ともあれ第1区画に入ると、まず目に付くのがメッセージSHOPだろう。ここでもまた、該当するトランプのロードから、そのプレーンの設定を聞かされることになる。
【THE LORD OF SPADES】 (スペードのロード)
It is EARTH
ELEMENTAL PLANE
here. Someone calls
here Tartaros or
Cocytus. It is the
place of the source
where everything is
born here. Thus, it
is combined with
everything and this
plane strongly by
invisible bond to
be called gravity.
It is the deepest
domain, and it is
sealed THE MOST
WICKED BEING here.
ここはアース
エレメンタルプレーン
だ。
タルタロス、あるいは
コキュートスと
呼ぶ者もいる。
ここは、万物が
生まれ出ずる
根源の場所だ。
ゆえに全ての物質と
この世界とは、
重力と呼ばれる
不可視の絆によって
強固に結合されている。
ここは最も底深くにある
場所であり、
そして最も邪悪なもの
閉じ込められている。




















タルタロスとコキュートスは両方ともギリシャ神話が原典なのでややこしいが、ここで言及されているコキュートスはダンテの「神曲」からイメージされたものであり、どちらかといえばキリスト教に属する。
もともとギリシャ神話におけるコキュートスは、単に“冥界の最下層を流れる川”という設定であり、これだけを見ると、むしろアースよりもウォーターエレメンタルに近いように思える。だからこそ(ギリシャ神話ベースでは、コキュートスよりも更に奥深くの最下層にあるという)タルタロスを、アースエレメンタルプレーンと見なして名前を挙げたわけだが。
で、ギリシャ神話ベースと勘違いしたり「水属性じゃねーの?」と思われるリスクを犯してまで名前を挙げたのは、「神曲」において“コキュートスには、最も重い罪を犯した者たちが封印されている”という設定が存在するため。本来の「神曲」では、その対象は言うまでもなく神の敵──具体的には、ルシファーやイスカリオテのユダなど──を指すのだが、これをXANADUの世界観に読み換えれば、もちろん該当するのはガルシスということになる。
一方のタルタロスに関しては、あまりうまく活用できなかったというのが正直なところで、とりあえずTitan(←後述)を登場させて帳尻を合わせるのが精一杯だった…。
アースエレメンタルプレーンを最下層とした経緯については以前に記したとおりで、選択の余地は無かったのだけれど、地属性がイメージされるような世界を最下層に有する神話・宗教が、ギリシャ神話のほかに思い当たらなかったので仕方なく…というのが実情。

前置きが終わったところで、具体的な攻略に移ろう…と言っても、この第1区画はアースエレメンタルプレーン全般の攻略についてのチュートリアルのようなもので、さほど深く考える必要は無いようにしたつもり。うろついている敵を倒していけば、自ずと為すべきことが見えてくるはずだ。
【XAREN】
ID名前所持アイテム
0Silver Soldier(Mattock)
1XANADU DIGGER(Mattock)
2XANADU BUILDER(Ladder)
3XANADU MAKER(Silver Rose)









不確定名は、これしか無いだろ!と思ったものの、正確にはXARENは“銀の兵士”に含まれないのね(←そもそも土木工作用であって、戦闘用じゃない時点で気づけよ!)…それに、コイツ以外の“銀の兵士”が登場しないというのも痛いな。Soldierじゃなく“Slave”にしようか(←例によって、俺の嗜好に基づき“SS”で韻を踏んでいる)という案も浮かんだけれど、これは少し飛躍しすぎて、意味不明に思われそうなので自重した。
第2グループ以降の確定名については、XARENの“XA”に引っかけたもの…って、元ネタの“XAREN”がどういう意味なのか知らないんだけどさ(苦笑)。こいつもD&D出身らしいけど、調べた限りでは、より多く見られるのは“Xorn”という名前の方で、その両者の違いもよく分からないし。
XANADUの世界観における“銀の兵士”たちは、いにしえのカーン王朝の遺産が今も勝手に動き回っている…というもので、ガルシスに従っているわけではないようだが、本作においては“肉体を失って封印状態にあるガルシスが、身を守るためにアースエレメンタルプレーンを要塞化しようとして、これらの土木工作担当に動員をかけた”という設定。
外観は全て同型機だけど、実際は用途ごとに機能が特化されており(←所持アイテムに反映)、まずMAKERがテクタイトを柔(=人面石)化し、それをDIGGERが掘って通路を拡げ、さらに必要に応じてBUILDERがハシゴを掛ける…という具合。
「ヘタにいじくり回すよりも、初期状態(=ぜんぶテクタイト)のままにしておいた方が、侵攻を防ぎやすいんじゃないの?」
というツッコミは不可とする…グラディウスのシャッターや回転レーザーに「わざわざ抜け道を開くのは何で?」と訊くようなものだ(笑)。
こいつらを倒して入手したMattockLadder、およびSilver Roseを使って進路を切り拓いていく…というのが、アースエレメンタルプレーン全般における攻略の基本であり、この第1区画は、その事をプレイヤーに(いささか露骨すぎるほどに)分かりやすく示すための構造となっている。すなわち、まず前半グループが所持していたMattockで、2つの人面石の壁を掘り崩し、
 

次の1ブロックすべり台の上に、第3グループが所持していたLadderを立てて(画像左)…と、問題はその後。次の区画へと通じる塔の入り口が、テクタイトの壁に囲まれて進入不可となっているのだ。
これまでの流れからすると、ここは「第4グループが所持していたSilver Roseを使って、テクタイトを人面石に変えればいい」(画像右)と考えてしまうところだが、それは誤り。
 

塔内に入ると全ての壁が閉ざされているので、ここでSilver Roseを使って抜け穴を作らなければ、先に進むことができないのである。
 
バグ技を用いることに抵抗のある人もいるだろうけど、過去作でもクリアに不可欠のテクニックとして攻略に織り込まれてきたわけだし(少なくとも、俺の作ったmapでは)そろそろ仕様として容認して欲しいところ。

さて、それではテクタイトに囲まれた塔の入り口へ、どうやって進入すればいいのか?という件に話を戻そう…その答えは「ある特殊なテクニックを用いればよい」というものだが、こちらはグレーゾーンのバグ技ではなく、れっきとした合法(?)のテクニック。なにしろ山下章先生も、チャレンジAVG&RPGの攻略記事の中で紹介しているという折り紙つきである(笑)。
 
敵が、通り抜けたい壁に触れるのを待って交戦状態に持ち込み(画像左)、Mantleを使用して壁を通り抜け、戦闘から離脱(画像右)。

 
すると、壁に重なった状態で外世界に戻るので(画像左)、あとは、好きな方向に移動すればよい(画像右)。

チャレアベの記事でも「それほど実用的ではない」と記されている通り、本家XANADU(シナリオI)では用いる機会も少なかったであろうマイナー技だが、本作においては、この後もアースエレメンタルプレーンを攻略する過程で多用される基本テクニックであるため、利便性を考えて名前を付けておくことにする…というわけで、ディグダグの“風船抜き”(←膨らませた敵を通り抜ける技)になぞらえて“交戦抜き”と命名。
この技を用いなければ先に進めないようなmapをデザインした理由は、ここを訪れる前に通ったファイヤーエレメンタルプレーンにおいて、逆さツララ通路を踏破するために必要な、MantleおよびWinged-bootsの正確な数が絞り込めないためである。
…となれば、どうしても数が余るケースを想定しなければならない(←数が足りなかったせいで手詰まりになるというのは、さすがに酷だろうし)わけだが、この場合、余ったMantleWinged-bootsをアースエレメンタルプレーン攻略に持ち越すことが可能となってしまい、穴掘りパズルが成り立たなくなるという問題が発生する…ロードランナーが空を飛んだり、壁を通り抜けるのは反則だろう。
これは難題であったが、コペルニクス的に発想を転換し、MantleWinged-bootsを用いるだけではクリアできないようなデザインにする…という妙案を閃いたことで、無事に解決した。つまり、外世界から塔内へ進入する際、自分だけがゴール(=塔の入り口)に辿り着けばいいのならMantleWinged-bootsは極めて有効だが、敵を一緒に連れて行かなければならないとすれば、話は変わってくるだろう…というわけだ。
これなら、穴掘りではなく敵の誘導こそが重要となるため、MantleWinged-bootsによってパズル要素がブチ壊されてしまう心配は無いし、むしろMantleを“普通の消費アイテム”として扱う(=上限を気にせず所有させる)ことができるというメリットも生まれる。

なお第1区画のスタート地点が、テクタイトの壁に囲まれた1ブロック四方の狭い場所であり、しかも敵の出現ポイントと重なっているのは、この“交戦抜き”の本質的な要素を(半ば強制的に)体験させるためである。
このテクニックについては、全てのプレイヤーが知っているのか確信を持てないので、直前に訪れるファイヤーエレメンタルプレーンのメッセージSHOPにおいて、ヒントとして提示しておく。
【THE ZANA FIRE QUEEN】
(火の女王 ザナ)
Bringing
the guardians!

Contacting
near the entrance!

Passing through
the Tektite!
墓守りどもを
連れ込め!

入り口付近で
接触!

テクタイトを
通り抜けろ!












もちろんTHE ZANA FIRE QUEENWizVに登場するモンスターだが、メッセージのほうはWizIVのプレイ開始時に表示される一連の警告“ SUMMONING THE GURDIANS! LAYING OUT PATROL AREAS! SETTING UP THE TRAPS!”(墓守どもを呼び醒ませ! 守りを固めろ! ワナを忘れるな!)が元ネタである。

また前述のSilver Roseバグ利用技についても、それが「仕様の一環である」と念押しする意味でも、同じくメッセージSHOPにてヒントとして提示することにした。
【THE KANZI FIRE KING】 (火の王 カンジ)
The domain that
you will go next
is also blocked
in several BARRIERS
in the same way
as here.

Only a SILVER ROSE
can absorb
EARTH ELEMENTAL
constituting
the barrier
exhaustively,
and CHANGE it into
weaker material.
お前が次に行く
世界もまた、
ここと同じように
堅牢な障壁によって
幾重にも
阻まれている。

銀のバラだけが、
その障壁を
構成する
地の元素
吸収し尽くし、
より脆弱な
素材に
変えることができる。


















結構うまく、ゲーム内での処理に沿った形で裏設定をでっち上げられたのではないかと、自画自賛。それよりも、元ネタにおける各エレメンタルの王たちの人数と、本作で各エレメンタルプレーンにて提示されるヒントの数とが、見事に一致した(←ちなみにエアーは1、アースは0で、これまたピッタリ)ことは、偶然とはいえ見事だと感嘆せざるを得ない。

こうして塔内に進入すると、待ち構えているのがBoulderである。これはMight&Magic由来のモンスターであり、未熟なパーティなら1発で壊滅状態になるロックブラストの魔法を、ドカドカ撃ってくる。
そんな強敵が序盤のうちから登場するあたり、いかにも洋ゲーっぽいオーバーキルぶりと言えよう…まぁこいつらが棲息しているダークドワーフの街は、べつにクリアを後回しにしてもゲーム進行上は問題ないので、近寄らないようにすれば済む話なんだけどねー。分かっちゃいるのに、ついつい潜入してはロックブラスト食らって甚大な被害を被り、リセットしてやり直し(←やたらロード時間が長くて待たされるんだ、これが)という愚行を、懲りずに何度繰り返したことか…。
そんなボールダーも、終盤であるアースエレメンタルプレーンでは露払いに成り下がっており、本作でもそれに準拠して、最初の部屋に配置することに。行動パターンも元ネタに準拠し、動かないよう設定した(UN=6)が、このパターンのモンスターは後半グループしか魔法を撃てないという制約があるため、第3グループを充てがうことにした。
【Rock Beast】
ID名前使用する魔法所持アイテム
0Rock Beast(なし)(Vorpal-Weapon)
1Rock Daemon(なし)(Vorpal-Weapon)
2Boulderロックブラスト(Tilte)(Crystal)
3Juggernaut(なし)(Black Onyx)









さてMight&Magicでは、同じ系統のモンスターごとに3種類のサブタイプが存在し、それぞれ微妙に異なる名称を持っているのが基本なんだけど、こいつらは数少ない例外で、なぜか全タイプとも“ボールダー”と呼称されている。おかげで、残りのグループ枠に充てはめる名前のアイデアを、拝借できなかったのが痛い。仕方ないので、同じくアースエレメンタルプレーンで登場したジャガーノートを割り当てることに…。
しかし、ここで問題となるのがグラフィックである。ボールダーは見た目どおり“巨大な岩”であり(画像左)、これをXANADUのモンスターに当てはめるならGalebduhr(画像中央)以外に考えられない。一方のジャガーノートは、D&Dモンスターマニュアルのイラストでは“石造りの戦車”といったイメージで描かれており、またMight&Magicでも同じく戦車の下半身に、巨人の石像の上半身を乗せたようなデザイン(画像右)で、どちらもGalebduhrに似ているとは言い難いものがある。
  
しかもジャガーノートは元気に走り回るわけで、動かざること山の如しという前提でデザインされたGalebduhrのグラフィックでは合わないだろう…と思いきや、実際に動かしてその様子を見てみると、これが意外に違和感なかったのは幸い。
所持アイテムも元ネタのボールダーに準拠し、宝石類で統一。Black OnyxCrystalと、いずれもここまで来たプレイヤーにとっては必要ないどころか、逆さツララのダメージが増すなどマイナスの効果を及ぼす困りもので、これもトラップの一環と言える。

第2グループには、ゲームブック版ドルアーガロックデーモン(画像左)を充てた。足の本数が合わない点さえ妥協すれば、“でっかい岩”という外観のイメージはGalebduhrと共通しており、ブレは少ないだろう。
そして残る第1グループ(=不確定名)には、夢幻の心臓IIに登場したロックビースト(画像右)を採用。外観が似通っていることから、パンタクルに登場した大石獣と同じく“無数の岩石が、四足獣のような形状に寄り集まった”みたいなイメージを抱いていたのだが、調べてみると石化能力を持っているらしく、むしろGORGONに近い生物なんだろうか…ともあれ、Galebduhrのグラフィックを当てはめるには少し無理があると考え、飽くまで名前だけを借用する形とした。
  
詳細は後に述べるけど、このドルアーガ版ロックデーモン(←けもの型)とは別に、ソーサリー版ロックデーモン(←こちらは、挿絵によると人型)も登場させる予定なんだよね。で、2種類の“Rock Daemon”が併存するのは紛らわしいことから、両者を明確に区分する一助として「それぞれ異なる不確定名を与える」というアイデアが浮上した。そこで白羽の矢が当たったのが、無幻の心臓IIに登場するロックビースト(けもの型)とリビングロック(人型)というわけだ。
このような“名前は同じなのに、不確定名やグラフィックが異なる”というケースは、Wizにおいても少ないが皆無というわけではなく、TROLL(←WizIではSTRANGE ANIMALで、WizVではUGLY HUMANOID)やSAMURAI(←WizIIIではMAN IN ARMORで、WizVではMAN OF SWORDS)などの例が存在する。
所持アイテムについては、元ネタのゲームブック版ドルアーガにおいて“ロックデーモンの背中に刺さっていた、クロムの長剣を引き抜いて入手する”というイベントを反映し、XANADU最強の武器であるVorpal-Weaponで決まり。
初めてプレイした際には「NAZLEの呪文で眠らせてから剣を抜く」という正解にたどり着くまで、ずいぶんヒドい目に遭わされたのもいい思い出…この手のモンスターに眠りの呪文が有効というのは、いまだに違和感がある(←第3巻では、ウィル・オー・ウィスプや、中身がゾンビであるはずのナイト系にも有効だし…そのくせドッペルゲンガーには効果が無いとか、基準が不明確なんだよなー)のだが、本作ではそんなトラウマも込めて、Mittar(←精神攻撃系らしいので)が通用する設定にした(笑)。

ボールダーがいた最初の部屋を抜けるためには、上述のようにSilver Roseを使うしかない。その際、上・左・右のいずれの方向に使うのが正しいのかは、それら外壁の中央付近に配置されたアイテムがヒントになっている。
ハズレの壁は毒薬によって道を塞がれているのに対し、正解の壁にはMantleなどの有用なアイテムが置かれているのだ(←なお、このアースエレメンタルプレーンを攻略するには大量のMantleが必要となるため、塔内の各所で滞りなくMantleを補充できるようになっている)。
ちなみに、敢えてハズレの方向に進むと、以前の区画(←場所によっては、ウォーターエレメンタルプレーン)まで戻ってしまったり、攻略に必要なLadderMattockを入手できないまま先の区画に飛ばされて、手詰まりとなってしまう。これらのハズレ行為すべてが的確に処理されるよう、塔内の各部屋を配置する(←しかも合計64部屋という容量制限つきで!)ことが、このLevel.11の制作において最も苦労した点であることは、声を大にして言っておきたい。

こうして正しい道を選んでSilver Roseを用い、次の部屋に進むと、まずはデカキャラ戦に突入する。以前にも述べたようにデカキャラの上位4種はエレメンタルの各属性に対応しており、このアースエレメンタルプレーンでは当然、Boiardoの出番となるわけだ。
これを倒せば、デカキャラ戦のお約束&お楽しみである、アイテム大量ゲット…と思いきや、何かおかしい。


じつは、この部屋のMushroomは本物ではなく、おなじみbmpファイルの変更によって作られたアイテム擬態モンスターの一種なのだ。
【MUSHROOM】
ID名前使用する魔法所持アイテム
0WHITE MUSHROOM(Deg-Poison)(Food)
1IndigoMushroom(Deg-Corrosion)(Mushroom)
2TOADSTOOL(Deg-Poison)(Fake Poison)
3PINK MUSHROOM(Deg-Poison)(Fake Poison)









言うまでもなく元ネタはWizVのモンスターだが、XANADUではアイテムとしてMushroomが登場するため、擬態ネタとして上手くハマった形。しかも植物系ということで、地属性という環境面でも合致するし。
最初に登場するPINK MUSHROOM(不確定名:TOADSTOOL)は、完全にアイテムと誤認させる目的なので、行動パターンはUN=6(動かない)とし、魔法を使う必要があることから後半グループに割り当てた。
その後に登場するWHITE MUSHROOMIndigoMushroomについては、もはや擬態の必要性もないため、堂々と動き回らせる…といっても、文字通り“歩き回る”というのは違和感があるので、UN=7(ワープ攻撃型)に設定した。これなら、本物のMushroomが混じっている部屋では、うかつに魔法を撃ち込めないだろう。


本物はどれだ?(←またかよ!)

使用魔法がDeg系なのは、擬態を見破られないようにするためと、胞子が広範囲に放出されるイメージから。
所持アイテムについては、最初に登場するグループを毒キノコ扱い(=毒薬ホルダー)とし、その次のグループは普通のキノコ(Foodホルダー)、そして最後の1グループだけが本物のMushroomである…というお約束のパターンで。

さて次は、第2区画

これこそが、思いついた時に記したメモを見直しても、そのアイデアの内容を正確に思い出すことができず、攻略・解説を急いで記述しなければならないと決断させたキッカケの区画である。
くだんのメモを見ると、右側に「ダッシュで抜ければ、全ての出口を通れる」と書かれているものの、これが何を意味していたのか思い出せないのだ。いっぽう、左側に並ぶ出入口は上側が「」、下側が「」と書かれていたことから、上下でワンセットになっており、上から入って下から出るという想定だったのは間違いあるまい。
」へ進入するには、まず敵を上の通路に誘い込み、その足もとの人面石をMattockで掘って、すべり台の直上に落とす。
 

あとは“交戦抜き”を用いれば、簡単に進入することが可能。
 
…と、これを順番に繰り返せば左側に並ぶ「」を全て回れるはずだが、それでは右側の入り口と「ダッシュで抜ければ、全ての出口を通れる」というメモが使われないまま終わってしまう。
ここからは推測するしかないけど、上記の“いかにも”な攻略法それ自体が、引っかけだと仮定してみる。逆に右側の入り口は、通常の方法では到達できない(←普通のダッシュや2段ジャンプ、あるいはMantleを使って上の通路から人面石を通り抜けても、すべり台の穴にハマるかテクタイトに阻まれて進めなくなる)ため、ダミーのように思えるかも知れないが、
 
このように敵をすべり台の穴に落とすことで、助走のための平坦な足場を確保すれば、メモに書かれている通りダッシュで突破することができる。
だとすると、この右側の入り口(S)を利用することで、左側の3つの「」すべて(A~C)にアプローチできるように塔内マップを構成すれば、メモの後半部分とも合致するわけだ。

1…第1区画より
3…第3区画へ


塔内マップ(第2区画)

引っかけ攻略では、すべり台それぞれの上に1回ずつ敵を落とす必要があるので、Mattockを合計4本も消費しなければならないのに対し、この方法なら敵を“3”の穴に1回だけ落とせば済むので、Mattockの使用を最小限に抑えられる。
これに気づかずムダ遣いしてしまったら、後ほどMattockが足りなくなって手詰まりに…というわけだ。

下層の通路部分の背景には、本来は建物の壁として利用されているパーツを用いた。これはアースエレメンタルプレーンらしさを表現するための処置(←エアーおよびウォーターエレメンタルプレーンの背景を青色に設定したのと同じ)なのだが、このパーツは困ったことに“Ladderを設置できない”という欠点を抱えているんだよね。
Ladderを設置して攻略することが、アースエレメンタルプレーンの基本コンセプトに含まれている以上、それが不可能なパーツを背景として適用することはできない。仕方ないので全面的な採用はあきらめ、明らかにLadderの設置が必要ない(あるいは設置を禁じられている)ような、ごく一部の場所に限定して用いることにした。

説明が後回しになってしまったが、この区画に配置された敵について。
【LIVING ROCK】
ID名前使用する魔法所持アイテム
0LIVING ROCK(なし)(なし)
1Rock Daemon(なし)(なし)
2EarthElementalロックブラスト(Tilte)(Black Onyx)
3Titan岩投げ(Tilte)(Hammer)









第1区画のところで述べたように、あちらのRock Daemonゲームブック版ドルアーガに準拠しており、一方こちらはソーサリーに準拠(画像左上)。所持アイテムが“なし”(←実質はGoldホルダーであり、数値をゼロとする)なのもソーサリーと同様。
また不確定名(第1グループ)のLIVING ROCKは、直接的には夢幻の心臓IIに登場したリビングロック(←画像右上;ちなみにコイツも、Goldは持ってないらしい)から引用したものだが、WizVにおけるGOLEM(画像左下)の不確定名であることも、一応は意識している…外観も近いし。
ともあれ、XANADUモンスターとしてはRock Guardianのグラフィック(画像中央下)を充てる。

第3グループのEarthElementalTilteを使うのは、WizV版(←エレメンタルの中では唯一、ブレスを使用しない)ではなく、ロックブラストをドカドカ撃ってくるMight&Magic版(画像右下)を引用した為である。だから所持アイテムも、宝箱を持ってないWiz版ではなく、宝石を落とすMight&Magic版に準拠して、Black Onyxホルダーに設定。

  
  
外観については、どちらも似たり寄ったりだな。

問題は第4グループ。ここには本来WATER ELEMENTALを割り当てる予定だったのだが、ウォーターエレメンタルプレーンの項で述べたように、容量の問題から水属性モンスターを削減せざるを得なくなり、空きポストとなったもの。
とはいえ、ただでさえマイナーな地属性モンスター、しかも“外観的に、Rock Guardianのグラフィックから逸脱しない範囲”という条件まで加わると、候補は非常に限られてしまう。
当初は無難なセンで、WizVにおけるEARTH ELEMENTALの不確定名(QUAKING EARTH)を充てる…すなわち後半グループをEARTH ELEMENTALでまとめようかとも考えたものの、せっかくTHE LORD OF SPADESが語るように“アースエレメンタルプレーン=タルタロス”という裏設定があるのだから、これを活かす方向で考えることにした。
斯くして、オリンポスの神々との戦いに敗れてタルタロスに閉じこめられたという、Titanの登場と相成ったわけである…ギリシャ神話の巨人たちを産んだのが“大地”母神ガイアであるという点で、アースエレメンタルプレーンと関連づけられるのも好都合だな。
ギリシャ以外の神話や民間伝承にも“大地から生まれし、いにしえの巨人”は数多いけれど、そういったメジャーなGIANT系は、おおむねD&Dを経てWizに引用されており、本作でも登場済みだから、もう使えないんだよね…とくにEARTH GIANTなんて、アレンジ版のグラフィックはEARTH ELEMENTALの使い回しなんだから、

そのまま採用しても違和感ないのに。
D&Dでは、巨人族はデフォルトで岩を投げて攻撃してくるし、Might&Magicのサイクロプスも同様なので、Titanも同じように岩投げ(=Tilte)の攻撃能力を与えることにした。

次の第3区画は、Ladderのムダ遣いを誘うのが狙いであり、これを回避するためには頭乗りの活用がポイントとなる。


まずは、普通に頭乗りを使って、敵を第2段に上げ(画像左)、次に上から落下しつつ、この場所(画像右)にLadderを設置。
 

敵がハシゴを伝って第3段に上がったら、今度は自分がハシゴを足場にして、この位置(画像左)で待機。ふたたび頭に乗った敵が第4段まで上がってくれれば(画像右)、あとは交戦抜きで決まり。
 

…と思いきや、テストプレイしてみると予想外(←つーか、気づかなかったのがマヌケなだけ)の事態が。交戦抜きの際、敵を倒してしまうと外世界での足場が消えてしまうため、塔に入る前に落ちてしまうのである(画像左)。
仕方ないので、ここは足場としてLadderをもうひとつ消費するしかあるまい(画面右)。
 

第4区画は、かなりスタンダードな造りとなっている。


通路上で“交戦抜き”を繰り返し、下にある人面石を順番に掘り崩していく(画像左)。最後に右端を掘って敵を落とし、左下にある入り口の横まで連れ込んだ後、ふたたび“交戦抜き”で壁を抜ければクリア。
注意すべき点は、人面石を掘る順番ぐらいだろうか。間違って左方向から掘り始めると、最後に足場がなくなって、敵を落とす前に下の通路へ落ちてしまうのだ(画像右)。こうなってしまうと、上には戻れないので手詰まりに。
 
また一番左の人面石はダミーであり、掘らなくても問題なくクリアは可能。うっかり掘らせてMattockをムダ遣いさせようという、トラップの一環である。
あとは交戦抜きを行なう際、外世界フィールドに戻ったらすぐに下方向キーを押すのをやめないと、そのまま下の通路まで突き抜けて戻れなくなってしまうので、キー操作は慎重に。

なお、次の第5区画へつながる塔内にはRock Beast(上述)が初登場し、この時点で再びVorpal-Weaponが手に入る(←これに合わせるように、このあと登場するClone軍団も、Vorpal-Weapon相当の攻撃力を持ったグループにシフトする)。

第5区画のコンセプトは、2体の敵を同時に“交戦抜き”するというものだが、「それぞれ縦方向と横方向に動く2体の敵が、一直線に並んだタイミングで突破する」という初期の構想にこだわったせいで、かなり難航することに。そんな苦心の末できあがったmapも、その後のテストプレイで、想定していなかった方法で簡単に解けてしまうことが判明し、あえなくボツとなった…(涙)。
そして結局、よりシンプルな構造へと方針を転換(←この過程で、もとは第7区画だったものが第5区画へと、難易度的にもランクダウン)し、敵は2体とも縦方向に移動するという、見た目にも非常に分かりやすいものとなった。

スタート地点とゴールを結ぶ横のライン上に、2体の敵が一直線に並んだ瞬間を見切って“交戦抜き”を仕掛けるという、なんのヒネリも無い方法でクリアが可能…まぁ実際には、なかなか一直線に並ぶタイミングが訪れないので、言うほど楽では無いのだが。


ふと、グラディウスIII最終ボス直前の最後の難関・通称“肉団子”地帯を思い出した(笑)。動き始めるタイミングが完全にランダムで、予測できない点が異なるけど。

任意の位置から交戦できるような構造にしてしまうと、難易度が低くなり過ぎて面白味に欠けるため、スタート地点とゴールを結ぶライン以外の場所には行けないよう、周囲をワープポイントで固めることにした。
また1体目の敵を抜いた後、2体目の敵がライン上に来るまで、ずっと壁の間で待つことができないように、その足元に逆さツララ、さらにその下にすべり台を設置する。壁の間にとどまろうとすると逆さツララにダメージを受けるし、Mantleを使ってツララの下に潜り込もうとしても、すべり台によって右側に戻されてしまうわけだ。
最下段まで落下し、すべり台をMantleで抜けて左側に進むことは可能だが、その場合も出口に向かう過程でワープポイントに阻まれるため、意味が無い。

この区画に配置した敵はCorrosiveSlimeであるが、以前より若干の変更を加えた。第1グループから不確定名(CAVE DWELLER)を削除し、第2グループの確定名(CorrosiveSlime)を第1グループに移籍。代わって第2グループには、新たにBlobを充てがうことにしたのである。
【SLIME】
ID名前使用する魔法所持アイテム
0CorrosiveSlime(Corrosion)(Corrosion)
1Blob(なし)(20Gold)
2STRANGE MIST(Deluge)(Acid)
3ROPAV DICA(Deluge)(Acid)









このBlobWizIIではなく、夢幻の心臓IIベースである。これは、元ネタに準拠して最弱クラスのパラメータに設定することで、AGLの低いグループを登場させるのが目的であり、この区画のようにタイミングが要求される攻略に際して、プレイヤーが間合いを図りやすいように…と配慮したもの。
グラフィックについては、夢幻の心臓II版ブロッブ(画像左)はHood(画像右)に似ているので無問題。
 
所持アイテムについては、元ネタが(意外にも)Goldホルダーということから、それに準拠した…といっても、最弱クラスに相応の少額しか所持していないが、どうせ使い道なんて無いから関係ない(笑)。
Blobも倒してしまうと、次はSTRANGE MISTが現れる。こいつは前述のとおり水属性なので、対立属性であるアースエレメンタルプレーンでは身動きが取れず、出現ポイントである最下層に留まり続ける。すなわち“交戦抜き”を行なうラインまで上昇してこないため、クリアは不可能に。

この区画のコンセプトの都合上、敵が縦の通路を移動する能力(←プログラム処理的には、飛行能力)を持つことは不可欠であったが、アースエレメンタル系のモンスターが“飛行”することには、やはり違和感がある。
そこでウルフファングのように、あくまで“斜面に沿って移動しているだけ”であって、何も無いところを“飛ぶ”ことはできないという解釈とした。
 
ウルフファング。普通の場所では重力の影響を受けるのでジャンプしかできない(画像左)が、斜面では上下に移動することも可能(画像右

斜面に該当する地形パーツとしては、柱ブロックを選択。敵味方とも自由に通り過ぎることが可能だし、ビジュアル的にも違和感ない。
とは言うものの、この区画は半分以上がワープポイントに占められているせいで、いまひとつ雰囲気を出せなかったんだよな…なんとか改善しようと、なるべくワープポイントを用いないマップデザインを試行錯誤してみたが、納得のいくモノを生み出すことはできなかった。
まぁこのアイデアは、この後の第13区画で本領を発揮する…はず。

第5区画や第8区画(後述)がタイミング合わせ的なアクション要素を含むのに対し、第6区画は、より純粋な意味でのアクション要素を重視した(…と言うより、パズル要素が皆無の)構造となっている。


まずは左上にある穴の中へ飛び込んで、そこにハマっている敵の第1グループを倒す。その足下の人面石を掘って落下し、すぐ横の足場へ着地して待っていると、次の第2グループが上から自由落下して来るので、これに交戦抜きを用いて(←倒すのを忘れないように注意!)左上の塔に入る(画像左)。
この塔を進むと外世界の右下の出口に出るのだが、そこから大急ぎで左に走らなければならない…すぐに上から敵の第3グループが降ってくるのだ! こいつらにも同じように交戦抜きを仕掛け、また全滅させたうえで左下の塔に侵入(画像右)。
 

だが、この塔の出口は外世界の右上にあり、そこから全速力で左にダッシュしても、第4グループの落下には間に合わず、左中央の塔(←この区画の出口)に入ることができない(画像左)。
しかも左上および左下の塔には、この後の区画をクリアするのに必要なLadderをゲットするため、どうしても進入しておく必要がある。ゆえに、これらの塔をあきらめて、第3グループとの交戦抜きで左中央の塔に入る…という策は使えない。
では、どうするか? その答えはバカバカしいほど単純なもので、Mirrorを使って走行スピードを上げれば、敵の落下よりも早く交戦ポイントにたどり着く ことができるのだ!(画像右
 

じつはコレ、Candleに次いで役に立たないアイテムであるMirrorに、なんとか活躍できるようなシチュエーションを…と 考えた結果、生まれたアイデアだったりする。
もし仮に、その役立たずアイテムであるMirrorを1枚も所持していなれば手詰まりとなってしまうわけだが、同じく役立たずのCandleと違ってSHOPでは売却できないし、アースエレメンタルプレーンに突入した後でもCLONE系やBoiardoから入手できるので、たぶん大丈夫だろう(←無責任)。
…とか言いつつBoiardoの部屋のアイテム配置には、ひそかに悪意が込められている(画像左)。Mirrorは部屋の入口と出口を結ぶ最短コースから最も離れた場所に、しかもCandleやらSpectaclesやらのゴミアイテムと隣接するよう配置されており、わざわざ取りに行く気になれないのだ(笑)。
なお、この区画の塔内には、障害物として多数のFake Poisonが配置されている(画像右)。これは区画のコンセプト上、プレイヤーが焦燥感を募らせる(←どれだけ長く塔内で過ごしても、外世界では全く時間は流れないけど、それすら忘れるほど焦る)ことや、Mirrorを使用した加速状態では細かい操作ができないことで、事故を起こす可能性が高いと期待して仕掛けたもの。
 

区画内の通路上にはメッセージSHOPを配置した。これは特に重要度の高いものではなく、どうやらSHOP数に余裕を残して完成するメドが立ったので、せっかくだから上限いっばいまでWizネタを投入しようというだけの理由。
【ORACLE OF MRON】
(MRONの神託)
There is hope
in your future!!!
Nope, it flickered
out already.
おっと、
希望はあるぜ!
いや!
消えうせちまった!








そんなわけでWizIVにおけるMRONの神託から、そのまま引用。しかも(よりによって)、具体的な内容を伴っておらず、何とでも解釈が可能なフレーズを選んだ。これは「ただ単に、メッセージSHOPを使い尽くしたいだけ」という今回の目的からすると、何らかの攻略に関するヒントよりも、“重要なことを言っているようで、じつは何の意味もない”というタイプのほうが、適しているだろうと考えたから。
まぁ敢えて理由を挙げるならば、一刻を争うような攻略の真っ最中に、このSHOPに寄り道すること自体が、貴重な時間を浪費する(=失敗につながる)行為であ るから「希望は消え失せた」という、身も蓋もないネタである(笑)。もし今後、SHOP数の上限に抵触するなどの問題が生じた場合は、真っ先に削減の対象となるのは、 言うまでもない。
元ネタのWizIVにおいては、MRONはワードナと接触する度に、決められた順番に神託を告げるだけであり、攻略の状況などは全く反映されない。だから、すでに解いてしまった謎のヒントを提示するような、チグハグな事態も頻発するわけだが、その意味では、この手の“ヒントになっていないヒント”を混ぜるのも、プレイヤーを混乱させる罠として効果的なのかも(←2度目以降のプレイでは、タネが割れてしまうけど)。

第7区画をクリアするには少しばかり工夫が必要で、これが個人的には気に入っている…って、じつはデザインを先に思いついて、クリア方法は後から考えたという、きわめて無責任な経緯で作られたんだけどね(笑)。


まずはMantleを併用して人面石の層に入り込み、敵が登るための足場を作っていく(画像左)。ここで問題となるのは、最上段の人面石を掘れないこと…上まで登った敵と交戦し、さらに上に抜けても結果は同じ(画像右)。
 

解決策としては、このように人面石を掘ったあと、この位置(画像左)にLadderを設置する。そして敵をハシゴに重なるよう追いやって、2段ジャンプで下方向から“交戦抜き”を仕掛けるのだ(画像右)。
 

そこから上方向に離脱すれば、最上段の人面石を掘れる位置に出るので(画像左)さっそく掘る。そして掘った跡のスペースに敵が移動する(画像右)のを待ち、ふたたび交戦抜きを仕掛ける。
 

ここで上に抜けると、足場を失った敵は下に落ちてしまうため、その前の、ほんの一瞬のタイミングで人面石を掘る必要がある。しかし、戦闘フィールドを上向きに抜ける→左に向く→Mattockを使う…という通常のプロセスでは、モタモタしているうちに敵が動いてしまう可能性があるので、ここはSHIHT+方向キーの同時押しテクニック(←いわゆる“カニ歩き”)を使って、あらかじめ左を向いた状態で戦闘フィールドを抜けるのが確実だろう(画面左)。
あとは、この一連の作業を繰り返し、最上段の人面石を順番に掘り崩しながら、少しずつ左に進んでいく(画像右)。
 
ただし、最後に塔ヘ入ろうとする際には、第3区画と同じく、足元にLadderを設置しておかなければ落ちてしまう。これも想定していなかった分のロスだから、埋め合わせとしてLadderをひとつ余分にゲットできるよう、どこかのmapを修正する必要があるな。

…と、これでようやく半分まで書き終えることができた。まだまだ先は長いものの、すでに文章量が長すぎ&投稿のインターバルが空きすぎなので、ひとまずここで区切りを入れることにする。