火曜日, 5月 25

アフタヌーン7月号

日付が改まってしまったが、24日の分。泊まり勤務だったが、昼休みを利用してD書店でアフタヌーンを立ち読みし、記憶の鮮明なうちにポメラで記録…というパターンが確立しつつあるな。

例によって四季賞作品の載った小冊子ポータブルが含まれる分、いつもより量は多いものの、ハックスの連載が終了してヴィンランド・サガが休載だったことで、少しはマシだった。
ようやく編集部(あるいは雑誌社?)が正式に、非実在青少年条例への反対声明を掲載。どうせならラブやんとかの隣のページに配置すれば説得力倍増だったのに(笑)。しかし、あの条例案だとラブロマもアウトなんだよな…アホらしいとしか言いようがない。

秒速5センチメートル
新連載。ほしのこえの頃は、セカイ系の旗手の一人として期待していた新海誠だけど、今やすっかり“背景がすごい”だけという印象になってしまったなぁ。いろいろな方向性が模索されたポスト・セカイ系の中には、もちろん王道回帰路線も含まれていたワケだが、どうも新海作品に関しては“回帰”じゃなく“退化”と感じられてしまうのは、俺の偏見? 
第1話を読んだだけで語るのは危険だと分かってるけど、どうにも凡庸な恋愛モノにしか見えない。これがアニメなら、新海作品の売りである美しいビジュアルに圧倒されたのかも知れないが、いかんせん平均レベル(←悪くはないものの、絵だけで惹きつけられるほどのパワーは無い)の作画だし。

ああっ女神さまっ
この手の格闘バカは潔く敗北を認めるだろう、という予想に違わず、さわやかな幕引き…かと思いきや、最後のコマで「次に互角の相手と戦えるのはいつの日だろうか…?」と強者ゆえの寂寥感を漂わせる締め方に持っていったのは斜め上だった。なんか最近、調子が上がってる印象。
おかわりっ!のほうは、眼鏡ベルダンディーを可愛く描けるだけの画力が無い時点で終わってる。

友達100人できるかな
結婚おめでとうございます! やっぱアレですか? ラブロマ(あるいはFLIP-FLAP)みたいな馴れ初めの果てに結ばれたとか(笑)。
さて本編のほうは、道明寺さんによる宇宙人仲間たちへの経過報告という、いよいよ真っ向勝負で「制地球論」をリスペクトする内容。しかし元の作品がひたすらシニカルだったのに対し、こっちの連中は和気あいあいだな…早々に感情移入しまくってるし(笑)。ひとりぐらいは、セムール議員みたいに過激な意見を言ってもいいと思うんだが、まぁモブのセリフの中に、そういう発言も混じってたっけ。
普段はスットボケてる道明寺さんだけど、もう完全に地球人側に肩入れしてるよね。そんな彼の提案によって、テストは第2段階へ繰り上がり。次回は不自然なシルエットの(あるいは全身マントとローブで正体を隠した)新キャラ数名が登場。並みの友だち候補とはケタ違いに気むずかしい彼ら全員と、制限時間内に友達にならなければならないという新展開…とまぁ半分は冗談として、条件を厳しくする代わりにカウント数を上乗せするような新設定とかは、普通にありそうだな。ガチで100人やるのは、さすがにネタが尽きそうだし。
巻末の作者コメントによればペースが安定してきたとの事なので、当面は打ち切りの心配をしなくて済みそうなのが救いか。

斬り介とジョニー四百九十九人斬り
112ページという量に思わず後ずさったけど、セリフ少な目、ひたすら大ゴマを多用したチャンバラアクションの連続で、絵柄も劇画系じゃなく見やすい(←作者は4コマ作品がメインだそうな)ので、スイスイ読めた。
だが作品の評価になると、それら全てがマイナス要因に反転してしまう。たくさん人が斬られるシーンを描くこと自体が目的のチャンバラと、リアルさや迫力に乏しい絵柄が相俟って、読み終わった後には何も残らないんだよね…淡々とページをめくり続けたなーというだけ。
同時掲載の映画評論のほうが、よっぽど面白い。まぁこちらも、引用されている映画のセリフが良いというだけの話だけどさ(笑)。筆者は反響の少なさを嘆いていたが、個人的にはもう少し連載し続けて欲しいところ…ピックアップされた映画(←筆者が勝手にジャンル分けするところの「セリフ・アクション」系)の本編を見る気はさらさら無いけど、取り上げられているセリフは確かにセンスがいいし。

武士道シックスティーン
相変わらず作画が安定しない。すごく可愛く描かれたコマも散見される一方で、過半数のコマは及第点以下という…でも明らかにデッサンが狂ってるようなひどい絵は無かったので、トータルの画力は向上しているんだろうか?
黒は気の迷いが生じて、袋小路にハマっている状態。黒の父も祖父も厳格な性格なのが災いしてるな…こんな時に必要なのはそういった正論じゃなく、気分転換を促してくれる同世代の友人なんだろうけど、黒にはそういう友だちがいません(笑)…これも同じく性格の問題で、やはり血筋なのかねー? まぁ、そこで白の出番になるんだろうけどさ。

百舌谷さん逆上する
学級会でクラスメイト全員から、ひとつひとつ勘違いっぷりを指摘されるって、ひどい公開処刑だな…それと書記! 全部いちいち黒板に列記するなよ(笑)。

ぢごぷり
なんか唐突な感のあるクライマックス突入(←次回で最終回)。「(赤ちゃんよりも)絵のほうが大事に決まってるでしょ!」とか、最後まで母性本能と無縁の母親であった(笑)。

いもうとデイズ
ディアナのお誕生会。プレゼント交換などがエスカレートするので、お誕生会そのものを禁止した学校もあるとか、やたら現実味のある話だけど、作者の実体験なんだろうか?
担任教師とクラスメートの女の子が、お兄さんと交流を深めようと画策して互いの足を引っ張りあって自滅…という話で、特に面白くはなかった。

四季賞
四季大賞『不死身屋の花音ちゃん』は、自分の死期を悟った者から依頼を受け、その死後に遺族が悲しむことのないよう、依頼人が別の場所で生きていると偽装工作する「不死身屋」の仕事を描いた話。
作画レベルは稚拙(いかにも四季賞作品っぽい)なんだけど、こういう恥ずかしいテーマを真正面から描くには、むしろ似合っているとも言えるか。ひたすらポジティブ・シンキングを貫く作者と主人公の意志は間違いなく伝わって来てる以上、技術うんぬんの話をするのは野暮というものだ。
四季賞『ヒーローの娘』は、家族を殺されたヒーローが、その復讐に怪人を皆殺し。罪滅ぼしとして、その遺児を自分の娘として育てていたのが真相…という話。「家族」と「優しい嘘ホワイト・ライ」がテーマという点で、大賞と重なる部分があるな。
まず思い出したのはヒュンケルだけど、古今東西のヒーローもの(←アメコミだと怪人じゃなく、アンチヒーローだったりするのだろうか?)を探せば他にも似たような話が見つかるかも。だからダメとか言う気は全然なくて、むしろ復讐と浄罪、親子の絆とアイデンティティ探索など、王道のテーマをうまくまとめ上げたなと。RATMANで読みたいのは、こういう話なんだけどね。

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