日曜日, 1月 16

#04 誰が殺したクックロビン

そんなわけで話をまとめると、パタリロの“クックロビン音頭”で片鱗に触れたものの、原型であるマザーグース“クックロビン”の存在や詳細な歌詞については、後のうる星やつらで知ることになった…という感じになる。
つまりVer.M/WのMはMother GooseのMであり、WはWho Killed Cock RobinのWだったのだ!

では改めて、Ver.M/WのLevel.2の解説に戻ろう。先述の通り、前半エリアはWizⅣの地下9階を模した作りになっている。元ネタで魔法陣が描かれている場所には商店街があり、ここで装備をパワーアップすることになるだろう。
そしてさらに上に昇ると、塔が見えてくる。元ネタではメイン通路の角にあたる各所に、2×2ブロックの小さな塔が設置されていたわけだが、数が多すぎて完全再現するのはスペース的に無理だし、似たような塔がムダに多くても飽きるだけだろうと考え、必要最低限の2つだけを設置することにした。
元ネタでは、ここには色々なモンスター(警備兵)が配置されていたけれど、日本人になじみのある名前となると、なかなか少ない。CORPORAL(伍長)とかLIEUTENANT(少尉)なんて、英名を見てもピンと来ないだろうし。SERGEANT(軍曹)あたりは比較的なじみがあると思われるものの、あいにくリーダー扱い(=単体での登場)なので、グループメンバー全員の名前としては適用できないんだな。
というわけで個別のメンバー名(階級)を使うのはあきらめて、無難にパーティ名であるTOWER GUARDを採用することにした。こういう汎用性の高い名前なら、ほかの場所で遭遇しても違和感が少なくて済むだろう。

この塔の奥には食料庫がある。これは元ネタで登場する敵グループ“士官の食事会”をアレンジしたものであり、元ネタでは名前だけだった“食事”を、実際に登場させることにした。
アレンジした理由は(まだ単なるアイデア段階なので最終的にどうなるか不明だけど)Wizに準拠して、SHOPではFoodを販売しない方針で行こうかと考えているため。そうなると現地調達(←なんだかWizというよりRogueシリーズみたいだな)が基本となるわけで、せっかく“食事”と名の付いたイベントが存在するのだから、うまく使わせてもらおうというわけだ。
元ネタでは、実際に登場するのは戦闘要員のみだけど、こちらでは逆に、厨房の関係者を登場させることで食料庫らしい雰囲気を出すことにした。
問題は、厨房係の英名をどうするか? 元ネタのBUSBOY(ウェイター)はしっくり来ないし、person in charge of kitchen(厨房係)では説明的すぎる(しかも長い!)など、どうにも適切な名前を思いつかない。仕方ないので、暫定的にFood Managerという(ファンタジー世界の雰囲気にそぐわない)俗っぽい名前を採用。
こいつ自身がFoodホルダーであり、登場する部屋にも大量の食料を配置しておく。

外世界をさらに進んでエリアの中央までたどり着くと、そこにはマリネラ王宮が建っており、その横にはOnion Head(不確定名)が佇立している。これは王宮の入り口を守る衛兵という設定だが、ゲーム的には、あたりを飛び回っているVULTUREが遠くへ逃げ出さないようにするためのストッパー役も兼ねている。
王宮の入り口(と出口)は床面から3ブロックの高さにあり、通常の2段ジャンプでは届かない。進入するためには、このVULTUREを踏み台として利用する必要があり、勝手に逃亡されては困るんだよね。


こんなヒネくれた構造を採用したのが、この王宮の主その人であることは言うまでもない(笑)。

Onion Headは第1グループの不確定名であり、倒すと第2グループのOrder of Onion(確定名)が、これも倒すと第3グループではより強力なBlack Onion(黒タマネギ)が登場する。
Black Onionは、最初に遭遇した時点では勝てないようにパタメータを強化しておいた。これは元ネタに準拠した面もあるが、こいつが倒されてしまうと、第4グループではいきなり名前が別ネタ(上述のWizⅣネタ)のTOWER GUARDに変わってしまうのを、バレないようにするため…というのが最大の理由である。
なぜ異なるネタを混在させなければならなくなったのかと言えば、モンスターの枠が足りなくなったから…単発のネタごとに枠を確保できない以上、グループ数が半端なネタ同士を合併させて、枠の節約を図るしか無かったんだよね。
また元ネタのタマネギ部隊は害意のない善良な連中なので、カルマ持ちに設定しておく。途中でカルマモンスターであることに気づいて倒すのをやめてくれれば、TOWER GUARDが登場せずに済む…という計算もあるけど、これはあまり効果を期待できそうにないか。
【Order of Onion/TOWER GUARD】
ID名前所持アイテム
0Onion Head(Spectacles)
1Order of Onion(Spectacles)
2Black Onion(Mushroom)
3TOWER GUARD(Gold)









ちなみに英語版Wikipediaによれば、タマネギ部隊はダイレクトに“Tamanegi”と記述されているのだが、無理があるのを承知で(本来は“騎士団”を意味する)“Order”を充てがった。
これは個人的な嗜好として、韻を踏んだ名前(←この場合は頭文字O)にこだわりたかったのと、TRPGサプリメント“蓬莱学園の秘密!!”を読んで以来、そこに登場した秘密結社O∴O∴L(Order of the Orient Library;東方図書館騎士団)のようなネタをどこかで使いたいという念願──完全に厨二病ですな(苦笑)──を叶える良い機会だったからである。
所持アイテムのうち、Spectaclesはタマネギの変装用メガネのイメージで、Mushroomは“タマネギとキノコは形が似ているから”という、極めてテキトーな理由(笑)。

グラフィックについては、ヒューマノイド系のモンスターの中から、タマネギ部隊の特徴であるタマネギ頭に近いデザインを持つものを探したところ、目に留まったのがDark Knightである。
しかし、どうみても悪者っぽい(←黒タマネギとしては、むしろ好都合のはずなんだが、何か違う…)点と、剣と盾で武装している点に違和感を拭いきれず、けっきょく不採用に。頭の形だけ見ればYuan Tiが最も近いことになるけど、さすがに論外(笑)。
そして結局、顔つきが微妙にタマネギに似ているように見える(←目玉が2つあるから、そう見えるだけ?)Duergarを選ぶことにした。まぁ、これもかなり無理のある選択だとは思うが…。
  

王宮の正面中央にあるメッセージSHOPは、VULTUREを踏み台にしなくても入れるため、まずはここで情報を聞くことになるだろう(←システム的に無理なので別々に処理されているが、本来このメッセージは、脇に立っているタマネギが発するセリフという解釈である)。
【MALYNERA PALACE】 (マリネラ王宮)
Please enter at
the ENTRANCE of
the RIGHT side
if hoped for
an audience to
His Highness.
The LEFT side is
the EXIT.

The symbols of
dominion are cape,
scepter and CROWN.

"Who killed
Cock Robin?"
殿下への
謁見を
希望されるなら、
右側入り口から
お入りください。
左側出口
なっております。

王権の象徴は
ケープ、王錫、
そして王冠です。

クックロビンを
殺したのは誰でしょう?



















ここで王宮の中にCrownが存在することを匂わせると共に、そこに辿りつくためのヒントが提示される。
その指示に従って王宮の中に入ると、マザーグース“クックロビン”に登場する鳥たちが4種類、相次いで現れる。ここの基本的なコンセプトは「ルート拡張型のアイテム4種類を、正しい順番で使用することによって目的地に到達できる」というシンプルなもので、その“正しい順番”を示すヒントとして、クックロビンの歌詞を用いようというわけだ。
【Small Bird】
ID名前所持アイテム出現する順番
0Sparrow(Mattock)3
1Lark(Key)1
2Linnet(Ladder)2
3Thrush(Acid)4









と、このようにマザーグースの歌詞の順(=アイテムを使用する順)にIDを割り振った。この際、ほかに思いつくであろう順序──アイテム名および各アイテムに割り振られたアルファベットの順番はもちろん、それらを所持するモンスター名のアルファベット順および登場する順番──の正順および逆順と重複しないよう、確認を徹底しておく。あくまでクックロビンのマザーグースに基づくか、さもなくば全ルートを総当たりする以外に正解へ辿りつけないようにしないと、意味が無いからな。
というわけで、ここで塔内における配置を決めておくことにする。まずは“Acidを入手した部屋ですぐに使う”と勘違い(←実際、俺のmapでは多いパターンだし)されてもいいように、ThrushAcidホルダー)を4番目の部屋に配置した。そしてその部屋の周囲4方向のうち、下側は塔の出口であり、左側は今さっき通った部屋なので、上側と右側を空き部屋にしておく。
また最初の部屋には、KeyホルダーであるLarkを配置。これはMattockもしくはLadderホルダーを配置した場合、それらのアイテムだけを手に入れて、先に進まず他のルートへ向かってしまう可能性を考えた上での対策である。
残った2種については、正解と重複しないことを考慮しつつ適当に。

グラフィックに関しては「“凶悪なモンスター”というより“単なる小鳥”なんだから、トレーニンググラウンドに登場したカモメみたいな鳥はどうだろう?」と考えたものの、ちょっとイメージが違う(←翼が長すぎる)ので却下した。
というわけで、前項で“空飛ぶ足場”役の候補だった鳥型モンスターの中から、改めて選考する。
   
左から順に、カモメ(?)、BOOBRIE、Achaierai、Kelkedorl

Achaieraiは脚が大きすぎるし、逆にKelkedorlは頭でっかちで、どちらも“小鳥”のイメージとしてはバランスが悪い。いっぽうBOOBRIEは面構えが凶暴そうなことを除けば、全体的なシェイプのバランスは悪くないと思えたので、これに決定した。

この小塔を抜けると、これらのアイテムを使用する区画へ。4種類のアイテムを順番に使うわけだから、組み合わせは4×3×2×1=24通りとなる。
もちろんバカ正直に全ての分岐を構築しようとすると、とてもスペースが足りなくなるので、まず最初の2つのアイテムの組み合わせ(4×3=12通り)の分だけを構築し、それらの終端に塔への入り口を設置。塔内で、残る2つのアイテムの組み合わせ(3+2+1=6通り)に基づいてルートを統合したうえで、ふたたび外世界に戻ってそれらのアイテムを使用するための地形を構築した。
これで何とか、容量ギリギリに収まるだろう…という見通しは、全くもって甘かった。外世界には多少の予備スペースを残すことができたものの、塔内のほうは(徹底的に効率化を図ったにも拘わらず)この方式では部屋数が足りなくなったのである。
想像以上に影響が大きかったのは、やはりAcidだ。使う可能性がある部屋1つごとに、その上・左・右の3部屋で対応を考慮しなければならず、しかも使うタイミングの選択肢がいくつもある以上、相当な数の部屋を用意しなければならなかった。

実際の作業では、いきなりエディタを使うと混乱しそうだったので、まずはチラシの裏に図面を引き、あーでもない、こーでもないと丸一日近く悪戦苦闘した末、どうにか8×8のスペースに収まる配置を完成させることができた…と思ったのも束の間、エディタに転写しようとしたところ、複数のルートを見落としていたことが判明し、完全に行き詰まる。
仕方ないので妥協案を検討。外れルートの終端では、外世界で4つ目のアイテムを使用→塔の入り口→塔の出口→外世界の行き止まり(全ルートで共有)という処理を行なうつもりだったんだけど、このうち“塔の出口”以降をカット。塔に入った最初の部屋を行き止まりにすることで、そこが終端という扱いにした。
さらに、間違った場所でAcidを使った時につながるハズレ部屋は、もともと完全に独立した行き止まりだった(←ハズレであることを分かりやすくするため)のだが、これを上述の終端にあたる部屋と一体化させる。
これらの処理によって、外世界の方はさらに余剰スペースが増えたわけで、塔内との配分を見誤ったことは明らかだな。塔内はAcid使用に伴うルート分岐の処理だけに徹し、それ以外の分岐における処理は全て、外世界で行なうべきだったか…。まぁ結果論に過ぎないし、さすがに今から作り直すだけの気力も無いから、これで納得するしかあるまい。
とにかく、これらの処置によって、ついに塔内を64部屋まで圧縮することには成功した。一部のハズレルートで“終端への到達が唐突”という印象になってしまった感は否めないものの、プレイヤーが迷うことなく正しい道を選択してくれるなら、何の問題もない…その場合は、合計24パターンに及ぶルートのつながり全部を検証した苦労も全くのムダになることを意味するから、複雑な心境ではあるけどね(苦笑)。

なお、Acidを使って進入できる部屋の多くにはモンスターが配置されているが、その大半はCREEPING COINである(←ほかの大部分のモンスターは外世界にも配置されているため、バランスを考慮)。
グラフィックは当然、GOLDのものを流用。ただしコピペした際にわずかなズレが生じてしまったらしく、プレイ画面上では左右に微妙にアニメーションするという予想外の事態が生じた。しかし、これはこれで“擬態し切れていない”という絶妙な味わい(笑)が感じられたため、敢えて修正は行わないでおくことに。
ちなみに塔内の各所──とくにAcidを使ったときに開く通路など──には、どちらに進むべきかを示す目印としてGOLDが配置されており、それと混同する効果も見込んでいる。そのため、なるべくバレないよう本体には移動能力を与えず、攻撃もDeg-Needleの魔法(←元ネタであるブレスの代わり)を使って行わせることにした。
よって必然的にUNは6(=移動しない)に決定。この場合、IDの0と1のグループは魔法を使えないことから、2にSMALL OBJECT(不確定名)、3にCREEPING COIN(確定名)を割り振るという、かなりアクロバティックな処置となった。
一方、その前半グループに割り当てられたのはINSECT(不確定名)とRHINO BEETLE(確定名)である。こいつらも元ネタでは“金貨に似た外観”という設定だから、GOLDのグラフィックを共有するには、非常に都合がいい。しかも、どちらも地下2階に出現するという点まで類似してるし。
ただし、こいつらはCREEPING COINと違って元気に動き回るので、“GOLDの姿をしたモンスターがいる”というネタバレを回避するためにも、出現回数を絞り込んでおく。登場するのは後半になってから、それも正解ルートのみに限定した。
【COIN?】
ID名前使用する魔法
0INSECT(なし)
1RHINO BEETLE(なし)
2SMALL OBJECT(Deg-Needle)
3CREEPING COIN(Deg-Needle)









このようなモンスターたちが王宮の中に棲息しているのも、ひとえに王宮の主の“小銭をこよなく愛する”という趣味に沿ったものである。

こうして正しい道を進むと、ようやくマリネラ王宮の主であるPatalliro
に謁見(笑)が叶う。
グラフィックについては、元ネタの体型に近いDretchClay Golemが候補に上がり、衣服のデザインは後者に軍配が挙がるものの、顔の色に違和感があったことから前者を選択した。
  

UNは、ゴキブリ走法のイメージに近い3にしようかとも思ったんだけど、他のモンスターにも多用されているパターンだから新鮮味に乏しいだろうと考え直し、タイムワープのイメージで7にすることに決定。ただし魔法は使用せず、また攻撃も行わない(STR=0)ことにした。
ヒットポイントは“パタリロ8世”のシャレで80800に決定。もちろん実際に殺すには1億ポイントぐらいのダメージを与える必要があるはずだが、あくまで“昏倒させるのに必要なダメージ量”という解釈である…劇中でも不死身ぶりを発揮していたパタリロだけど、殴り倒されるシーンはけっこう頻繁にあったからな。

蛇足だが、せっかくモンスターIDが余っているので、この部屋へ来る途中にダミー分岐を設け、そこにはPatalliro 7th(パタリロ7世)とPatalliro 10th(パタリロ10世)を配置することを考えたものの、あいにく部屋数の不足は深刻であり、机上の空論に終わってしまった。
またWizⅣ区画の塔内にある食料庫に配置されていたFood Managerとも、グラフィックを共有させる。イメージとしては、XANADUシナリオⅠに登場したFOOD SHOPの店主のおっさんだ(笑)。
 

王宮の入口で語られたヒントのとおり、パタリロは王権の象徴としてケープ(Mantle)、王錫(Rod)と王冠(Crown)を所持している。
これらの3品が究極のアイテムであるという話は、リフトウォー・サーガでマクロスが語っていたんだっけ? ともあれ、セプターとクラウンという組み合わせはVer.Dのドラゴンバスター面で使ってしまったネタなので、何か違う要素を加える必要があったんだよね…と言っても単なる思いつきだったので、Mantleをどうしたものか持て余している状態。うかつな場所で使用されると簡単に謎を解かれてしまう恐れがあるので、なるべく早いうちに使わざるを得ない状況を作っておく必要があるな。
【FAT MAN】
ID名前所持アイテム
0Food Manager(Food)
1Patalliro(Crown)
2Patalliro 7th(Rod)
3Patalliro 10th(Mantle)









当初の予定では、Crown以外の“王権の象徴”アイテムは、このように他のパタリロ一族に所有させるつもり(←ちなみに7世と10世の基本パラメータは8世に酷似しており、所持アイテムだけが異なる)だった。
つまりPatalliro 10thからMantleを手に入れたとしても、その時点でハズレルートに足を踏み入れているので、せっかくのMantleも正解ルートへ戻るために消費するしかないというわけね。
ところが部屋数カットの影響でPatalliro 10thの出番も無くなってしまい、MantleRodは、Patalliroのいる部屋に無造作に置かれていることになってしまった…という次第。いっそ“王権の象徴”云々のメッセージは削除して、登場するのはCrownだけにするのが無難だろうか?

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