土曜日, 11月 17

風の伝説ザナドゥII 第5章~終章

前章のラストで、リュコスが重傷を負って脱落。ランディスも何か思うところがあるらしく、独自の行動を取ろうとしてパーティーを離脱。そしてダイモスは、いつも通りお留守番(笑)。
こうして男性陣が一人残らず抜けてしまった一方で、ピュラーは引き続き残留し、そこに同じく前章のラストで合流したメディアメルティナが加わって、見事に“アリオス以外は全員が女性”というパーティー編成になってしまったという…またハーレムかよ、いいかげんにしろ! しかも前作のハーレムには(いちおうメスとはいえ)アルゴスが含まれていたわけで、その意味では前よりさらにひどいと言えよう。

これなんてギャルゲ?

…と、ネタっぽい書き方をしてみたが、実際には(そういう色気のある会話を含めて)キャラ同士の掛け合いは殆んど無いまま進むんだよね。なにしろ脇道イベントどころか本筋でさえ、必要最低限の内容しか描写されないし。
というわけで第5章が始まって早々に、悪の親玉から「じつはお前を騙していたのだ」とカミングアウトされたマーカストさんは失意のドン底に叩き落とされ、アリオスと戦って死ぬことで過ちを償おうとするのだった…って、いくら何でも唐突すぎ。
あのさぁ…じっくりとエピソードを積み重ねて、プレイヤーに愛着を抱かせるような下準備もしていない脇役が、いきなり悲劇的なシチュエーションに襲われたところで、感情移入なんてできるわけ無いだろ! この点では前作の兄貴のほうが、まだマシだったな…少なくとも“こちらが呆れ返っているのとは裏腹に、画面内だけで勝手に盛り上がっている”というような疎外感を覚えることは無かった。
まぁ、もし仮に本作をリアルタイムで──つまり、もっと若い頃に──プレイしていたとすれば、本気で腹を立てていたかも知れないが、この歳になると──幸か不幸か──そんな経験も幾度となく味わって来ているわけで、冷ややかにスルーするぐらいの耐性は身につけているつもり…と言いつつ、こうやって愚痴をこぼさなければ気が収まらないんだけどさ(苦笑)。
安っぽいお涙頂戴エピソードのたぐいで、特にひどかったものと言えば、エウレカセブンでランバ・ラルの劣化パクリのオッサンが死ぬ話や、ガンダムAGEの視聴を打ち切る決め手となった、序盤で艦長が死ぬ話などが思い浮かぶ…この手の、まったく共感できないような展開をやらかすスタッフ連中の、仕事に対する姿勢が──「感動的な話が書けた」と悦に入る独りよがりタイプなのか、それとも「こういう話にすれば、客は感動するだろ」とか自覚したうえで、ベタな悲劇系プロットを適当に流用して済ませるような手抜きタイプなのか、どちらにせよ──作品を通して透けて見えることが、腹立たしさを倍増させるんだよな。

第5章の舞台となる水晶渓谷の旧採掘場は、本作に収録されているダンジョンの中では、もっとも難解な部類に属する。塔や城のような人工の建造物は基本的に、直線的な通路と部屋の組み合わせなので(実際に紙に書くにせよ、脳内で済ますにせよ)マッピングしやすいのに対し、こういった天然の洞窟は、通路と部屋の区分やカベの方向が曖昧なので、正確にマッピングするのが難しい。
加えて、“とりあえず上を目指す”や“カベを伝って進む”といった、この手のダンジョンを攻略するのに有効なはずのセオリーを逆手に取ったかのような作りになっており、普通ならば正解であるはずの道が袋小路だった…というような心理的トラップも。

また、地形に紛れて見分けがつきにくい、細い通路も散在しており、思いがけない場所に通じていたりするので油断できない。

その難関をようやく突破すると、上述したようにマーカストとの対決となる…なるほど、そりゃあマニュアルのボス一覧には載せられんわな(笑)。
しかし戦ってみると意外に歯ごたえが無かったのは、負けて死ぬつもりであるという設定のためだろうか? 対戦格闘ゲームのいわゆる“待ち”のように、飛び込んでところを反撃するような姿勢に徹して、相討ち覚悟で着実にダメージを与えていくと、さほど苦労せずに勝つことができた…なにしろストーリーに嫌気が差していたところなので、「たとえ理不尽な強さであっても、さっさとゴリ押しでクリアしてやろう」と思っていたのに、なんとも肩透かしを食わされた格好だわ(苦笑)。

そのマーカストを、「お前はもう用済みだ」と始末した(←お約束だなー)敵の親玉が第6章のターゲットなんだけど、こいつが潜んでいるダンジョン(海底の洞窟)は、前章の水晶渓谷に較べて、なんとも淡白な印象。
見た目は地味だし、マップのデザインや仕掛けにも、思わず感心させられるような巧妙さは皆無(←スイッチを押すことで進路が開けていく方式なのだが、適当に何度か試しただけで普通に先へ進めるという、複雑さや難解さとは無縁の単調ぶり)で、手抜き感ばかりが目につく…。
初めてマニュアルを読んだ時から薄々と感じていたし、ショップで買える装備の多さや早すぎるマーカストの退場から、展開が急ぎ足だという感覚は強まる一方だったが、ここにきて確信できた…間違いなく本作は、充分な時間を与えられずに制作されたんだな。まぁ当時はPCエンジン時代の末期だったらしいから、発売が遅くなれば、その分だけユーザー数も減少してしまうような状況で、とにかく早めに完成させる必要があったのだろう。あるいはユーザーの側も、そういった“時代の終焉”を実感しており、内容が薄かったことに対しても意外と反発は少なかったのかも?

そんなワケだから、マーカストに続いてランディスまでが死に急ぐような展開についても、あきらめて受け入れるしかあるまい…とはいえ、敢えて揚げ足を取らせてもらえるなら、登場した直後には不必要に団体行動していたくせに、なんで今回にかぎっては独断専行するんだよ!と(笑)。

ボス戦は、ほとんど即死に近い大ダメージを与えてくる極太レーザー(?)魔法がいちばん厄介な攻撃だが、それよりもプレイヤーの精神に打撃を与えてくるのが、戦いが始まる前の長ったらしい前口上…せっかく、前作からの数少ない改善点のひとつ──まぁ、これまでのボスはしゃべれない怪物ばかりだったからなんだけど(笑)──だと思っていたのに、また聞かされることになるとは。しかも今回は、途中でスキップすることもできないし(怒)。
その鬱陶しい長セリフを二度と聞かずに済ますためには、もはや手段を選ばず確実に勝利するしかない…というわけで、あり余る資金にモノを言わせてプロテアを上限の99個まで買いまくり、正真正銘のゴリ押しでクリアしようと、ウイングを使って街に帰還したところ、ショップに売られていたプロテアの価格に衝撃を受ける。

8000ジェムて…前に見たときは、確か300ジェムだったはずなのに。どうやら本家ザナドゥ(シナリオI)におけるKeyのように、レベルアップに伴って値段も上昇する仕組みらしい…まぁ回復するヒットポイントの量も比例して上がっているようなので、ぼったくり仕様というわけでは無いのが救いかね。
ともあれ上記の作戦を実行し、けっきょくプロテアを30個あまり消費して、ボスを撃破。

いよいよ…じゃなくて“早くも”終章という気分だったが、とりあえずスタート地点の付近を当てもなくうろつき回っていたら、遭遇したザコモンスターが強すぎて、いきなり殺されるという波乱の幕開けとなる(笑)。さて、この場合どこで目を覚ますのかと思ったら、船内の寝室でした…前章で、こちらを追って洞窟内に向かうと話していたのを、すっかり忘れてたわ(笑)。
この船が、街の代わりになるという事か…地形からすると、停泊している場所はスタート地点から大して離れていないだろうと目星をつけ、改めてスタート地点のセーブデータからやり直したところ、ほどなく見つけることができた。
それにしても今回、ダイモスは完全に留守番役だな(笑)…まぁ冒頭しか出番の無かったヌースよりはマシだけど。メディアも当番が終わって、この章ではベッドの脇から一歩も動かない回復役に徹しているし。シナリオの量が少ないうえに新キャラまで登場したことで、そのしわ寄せを押しつけられた旧キャラたちに同情を禁じ得ない(涙)。

しかし一番悲惨なのは、ダイモスが連れてきた行商人たちじゃないだろうか? 完全武装のアリオスでも苦戦するような、凶悪きわまりないモンスターが数多く徘徊している洞窟の中に、テントひとつで踏ん張っているとか、どんだけ商魂たくましいんだよ! ダイモスたちは、安全な船内に引き篭もっているのに(笑)。
前作の終章に登場したショップと同じく、ここではエリクサーを購入可能…なにしろ所持金は腐るほどあるため、装備をひと通り新調したうえで、さらに20本ほど買いまくることができた。
このように資金は軽々とMAX(100万ジェム)を超えるハイパーインフレ状況である一方、ヒットポイントの方はせいぜい10万どまり…そのせいで開始早々に、ザコモンスターに瞬殺されたワケだが、だからこそ「案外、まだまだ先は長いのでは?」と、わずかな期待を抱いてしまう。ひょっとすると前作のように、最終ダンジョンは31階に及ぶボリュームがあったりして…。

…などといった甘い話があるはずも無く、けっきょく最終ダンジョンは、たったの8階で終了。しかもマップデザインは大ざっぱで、迷う要素なんて皆無に等しいという、ある意味で本作の総括としてふさわしい手抜きっぷりだった(泣)。
もちろんモンスターは強いし、あちこちに設置されているトラップによっても多大なダメージを被るため死亡率だけは高いものの、それゆえに、死ぬ→蘇生を何度も繰り返すことになり、ヒットポイントは大幅に上昇。さらに、ここまで持ち越してきたマッシュルームをまとめて使用したところ、あっさりとMAX100万に到達してしまった。
また、ダンジョン内で見つけた最強の盾を鍛える(←この過程で、またもや死にまくったワケだが)ことで、どうにかモンスターと互角には戦えるようになったとはいえ、まだ無傷とは行かない状態。あるいは見落としている場所に、最強のヨロイも隠されているような気はするけれど、探すのが面倒なのでラスボスとの対決を急ぐ(←クリア後のプレミアムモードで“とりあえず、最強になろう”を選択したところ、やはり最強ヨロイが存在していたことを確認。また同じく“イベントアイテムを持ちたい”を選んでみると、アーマーペンダントシールドリストレットなどの隠しアイテムもあったらしい…まぁ今さら、どうでもいいけど)。
なおドラゴンスレイヤーの熟練度も完全ではなかったが、(これも持ち越してきた)パワーリングを使いまくって、一気にMAXまで引き上げる…とにかく、早く終わらせたい一心であった。

そんな焦りを嘲笑うかのごとく、ラスボス戦はひたすらダラダラと長かった…なにしろ第5形態まであるし(失笑)。人間型が多かったように思える(←だからこそ余計に「何度も同じような事するな!」という気分にさせられた)のは、やはり対戦格闘ブームの影響だろうか?
せめて各形態のデザインなりシチュエーションなりに連続性があれば、ひとつながりの連戦というイメージを持てたかも知れないが、あいにく“それぞれブツ切りの戦いを何度もやらされた”という印象しかない…まぁそれでも、まともに操作もできないまま落下ダメージを累積されてストレス溜まりまくりだった前作のラスボスに較べれば、許せてしまう(←あれは本当に最悪だった…)。
初戦はエリクサー24本を用意して挑んだものの、最終形態で力尽きて敗北。またやり直すような気力は残っていなかったので、2度目にして最後の挑戦は、万全を期して行なった──初戦時の経験から、ある程度の攻撃パターンや弱点は見極めがついたので、見切れる攻撃が来たときにはゴリ押しをやめて回避を優先。またエリクサーに依存するだけでなく、敵の攻撃の合間などを利用してステータス画面に切り替え、プロテアをコマンドで使用して小まめに回復するなどの工夫を凝らした──結果、なんとか勝つことができた。

これで次は、いよいよ手詰まりの英雄伝説2に戻ることになるな。年の瀬も迫ってきたので、年内のクリア達成は難しいだろうか…。

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