木曜日, 1月 28

藤子F全集・ドラえもん第5巻

電撃大王を読み終えた後、D書店で購入。

既読エピソードの大半が記憶していたものと同じ絵だったので、加筆修正との差異を楽しめた第4巻よりも、お買い得感は低め。
低学年向けエピソードで描かれているのび太の頭身が、前巻に比べてやや成長しているという印象を受けた。連載開始当初は、読者の感情移入する対象だから読者と同年齢(つまり低学年向けエピでは、のび太も低学年)に描いていたけれど、次第に“のび太=小学4年生”というイメージが固まっていったという事だろうか?

未読の中でベストエピソードだったのは「ウルトラリング」だな。基本的なアイデアは「黒おびのび太」と同じ(←どちらが先かは知らない)だけど、こちらはママが被害者──むしろ加害者だが(笑)──で、電柱をへし折ったり、ドラえもんを地中にめり込ませたりと、豪快な暴れっぷりが笑える。
このアイデア、作者が気に入ったのか、あるいは「忙しくて、つい」(無意識か故意かはさて置き)使い回したのか、同じ巻に収録された「スーパーパワーゲン」にも流用されている。同じ巻ということは、同じ読者が(しかも、1年と間を置かずに)両方を読んだわけで、さすがに子供心にもデジャビューを感じたのではないだろうか?

既読エピで面白かったのは、まず「からだの部品とりかえっこ」。しずかちゃんの足を生やして走るドラとか、同じくしずかちゃんの胴体の身軽さに歓喜して跳ね回るジャイアンとか、シュールすぎる絵が連発しまくり。
 

あとは「パパもあまえんぼ」や「あの日あの時あのダルマ」といった“いい話”系の作品。とくに後者は、前年の「りっぱなパパになるぞ」に続いて、小学校を卒業する読者に向けて描かれたという舞台裏を知ると感動が倍増したり。初めて読んだ当時は、のび太の…つまり小学生にしてドロップアウトした者の心情など理解できるはずも無かったわけだが、いま改めて読み直せば身に染みてよく分かるというか…いや、分かりたくもなかったわ!(苦笑)

掘り出し物だったのが、当時の学年誌で行われていた企画について触れた特別資料室
「小学四年生」誌では“ドラとバケルともうひとつ”という企画が連載されており、「ぼく桃太郎のなんなのさ」も、その一環だったとか。今回収録されたのは、ドラえもんとバケルくん双方のマンガ本編の内容を踏まえつつ、両者の共演する後日談が絵物語(=大きめの挿絵が付いた小説みたいな感じ?)形式で語られた回なのだが、やたらリアルタッチで描かれたドラえもんの挿絵が怖すぎる(笑)。


もうひとつ面白かったのは、「小学五年生」誌における「うわさの姫子」とのコラボ企画。リレー漫画形式で、姫子が2人いるボーイフレンドのどちらと結ばれるのか、タイムマシンで確かめに行く…という藤子サイドのネタ振りに対し、姫子の作者のアンサーは「どちらとも結ばれず、ひとり寂しい老後を迎える」という身も蓋もないオチ…小学5年生に読ませるにはシビアすぎるだろ(笑)。まぁ当時は「ありえない展開」として笑い話で済んだのかも知れないが、今の非婚・晩婚化の流れを予見していたとすれば恐るべし!だな(←当時の読者は今年で45歳になる計算だから、微妙に世代がズレてるけど)。

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