火曜日, 6月 28

ガンダムエース8月号

電撃大王の読みごたえの無さに落胆したところへ、目に入ったのが(先日までは無かったはずの)ガンダムエースの見本誌。まだまだ体力的にも余裕がある状況であり、これは読むしかあるまい。
というわけで勢いに乗って、身体が悲鳴を上げ始めるまでに約40%ほどを読破。残りは29日に、勤務中の休憩時間を利用して読み終えることができた。

オリジン
最終回。終幕のナレーションが、アニメ版と違ってジオン“公国”だったのは、何か意味があるんだろうか?
それにしても、アニメ化ねぇ…完結に際して各方面から寄せられたコメントの絶賛ぶりに、ものすごい違和感を感じるのは、結局このオリジンという企画に(リメイクそれ自体、および“安彦が描く本物”であるという点を除いては)価値が無かったように思えるからだろうな。
そして恐らく、①きちんとハイクオリティな作品を作れば、たとえ高コストであっても、それ以上の利益が出る大ヒットを見込める。②今の時代のアニメに安彦キャラを登場させることに(作り手側の再現性としても、ユーザー側の需要としても)問題は無い。③原作のエピソードを大幅に圧縮するようなシリーズ構成となっても(←今のところアニメ版オリジンの媒体については未定らしいが、原作を全く削らないで映像化するのは無理があるだろうから、ユニコーン並みの超高密度な脚本になるのではないかと予想)許容される…などのユニコーンの実績が、オリジンのアニメ化を後押ししてしまった事について、好意を裏切られたように感じているからだろう。
これは例えるなら“リリカルなのはシリーズにお布施を続けていたら、StSなどという(望んでもいない)新作が作られた”ということに対して抱いたのと、共通の失望感だな。

安彦×かわぐちかいじ対談
かわぐちはガンダムを全く見たことが無かったそうで、直接ガンダムに言及するような話題は、必然的に皆無。いちおうアニメ版ガンダムを“正史”に、オリジンを“歴史モノ作品”に準えた上で“歴史モノ作家同士の対談”という体裁を取っているものの、その方面については特に面白い話は無し。
もっと一般的な“マンガ家が、マンガについて語ったこと”として、トレスに対する姿勢や作画密度の問題に関する話題のほうが興味深かった…通常のマンガが、表現としては文章に近いので完成形が見えやすいのに対し、カラー絵はむしろ絵画表現であるため明確な終わりが見えず、いつまでたっても作業を終えることができないそうな。
スチームボーイあたりで極限に達した、ひたすら描き込み密度を上げていくという方向性には閉塞感しか無い…という意見には同意。一種の異端というか、特徴づけの一環として極限を指向するというのはアリかも知れないけど、次にそれをさらに上回ろうとしてチキンレース状態に陥ったり、それが新たな業界標準となってしまうのは間違いだろう。

Zガンダム Define(北爪 宏幸)
編集部としては、今月のオリジン最終回を契機にして購読をやめる読者が大量発生するのを防止すべく、オリジン終了からシームレスでこの企画をスタートさせる必要があったのだろう。
しかし今月号の前半3分の1ほどがオリジン最終回祭り一色に染まったような状況で、その後ろでひっそりと連載開始というのは、さすがに同情を禁じ得ない…明らかに埋没してるし、読者の側としてもオリジン最終回だけで「今月は、もうお腹いっぱい」という気分になってしまって、新連載にまで意識を向ける余裕が無いんじゃないか? それならお祭り騒ぎの鎮まった来月号から、心機一転ということでスタートしたほうが、集中して読んでもらえたような気がするぞ。
さて本編の評価だが、絵に関しては今さら何も言うまい…それよりも重要なのは、ストーリー展開がアレンジされていたこと。しかもそれが非常に巧妙で、絵のひどさを補って余るほどの評価とは、予想外だった…カミーユがブライトに会ってから、ジェリドを殴って収監されるまでの展開は、アニメ版に比べて自然な流れになっているし、ティターンズの特権が(アニメ版の1階級ではなく)2階級プラスという設定になった一方で、ブライトはティターンズへの移籍を拒否して大佐から少佐へ2階級の降格を食らったことで、ジェリドと同等(←それでも先任だから、ブライトのほうが格上なんじゃねーの?というツッコミの余地は残ってるけど)の扱いになるため、ティターンズの連中が横暴な態度をとることに説得力が増している。
また北爪インタビューによると、ブライトがエゥーゴに参加する経緯についても(アニメ版では、状況に流されただけのようにも見えたのに対し)、より積極的な意志に基づいて加わったような描写に変更するとの事…それはつまり、今後さらにティターンズのせいで悲惨な目に遭わされるという意味だろうか(笑)。
同じくインタビューにおいて、カミーユよりもシャアに焦点を当てて描きたい…と語っていたが、これは適切な判断ではないかと。逆シャアという“ゴール”が見えているわけだし、今の読者の年齢的にも(ティーンエイジャーのカミーユより)シャアのほうが理解・共感しやすいだろうしな。あるいは、オリジンで読者の共感を呼んだのがアムロじゃなく、中間管理職として苦悩するブライトだった…という先例を踏まえての事かも。
これらを決めたのが本当に北爪自身であれば大したものだが、ひょっとして優秀なストーリー担当でも付けてもらったか?(←さすがに今回は、コケさせるわけにもいかないだろうし) オリジンが“絵は一流、ストーリーは三流”だったのに対し、こちらは逆を狙ってみました…とか(笑)。

ガンダムさん
お笑い一直線シリーズ、ようやく話が大きく動いたか。コンビの片割れだけが売れるというのは現実にありがちな展開だけど、シャアではなくガルマのほうが売れっ子になるというのが、いかにも大和田マンガらしいところ。
今後の予想としては、人気よりも友情を取ろうとするガルマに対し、シャアは心で泣きながらも突き放す…というパターンが定番だと思うけど、さてどうなることやら。

ハイブリッド4コマ
冒頭のドラいせんで、いきなりやられた(笑)。トライ・ブレードがタケコプターかよ!
百式と間違われたデルタプラスが、肩に“百”と書かれそうになるネタは、額に“肉”の字というマサルさんを思い出すな。
そして「ララァは賢いな」「大佐がバカなだけです」って容赦なさすぎ…大和田マンガよりヒドくないか?(笑)

逆襲のシャア BEYOND THE TIME
一番のサプライズは、すっかり落ちぶれたローレン・ナカモトの登場。そしてギュネイが、ナナイにコナかけていたことも意外…でもまぁ本作のナナイはアニメ版よりも若いようなイメージだから、さほど違和感は無いか。もしアニメ版の設定どおりだったら、「ギュネイは熟女趣味」だの「クェスも口説いてたし、守備範囲が広すぎ」だのボロクソに言われそうだけど(笑)。
あるいは強化人間の副作用として、女と見れば見境なしに手を出す性格になってしまったのかも知れん…だとするとゲーツ・キャパも、やたら熱血だったり、くだらないダジャレを連発するような副作用に悩まされていたりして(←中の人ネタ)。
まぁ冗談はさておき、今回の話を読んで改めて認識させられたのは、けっきょくシャアが過去の(アムロとの、あるいはララァとの)人間関係にこだわり続け、新たな(ナナイとの)関係を築こうとしなかったことが、ナナイにとっての根本的な問題だということ。
しかしそれは一次作品で確立されたシャアのキャラクターであり、過去の事実として描かれてしまっている以上、今さらどうしようも無い…となれば、この作品の結末としては、ナナイがシャアとの間に望んだような関係を、この彼女の妄想世界の中で実現させることによって、満足するぐらいしか無いんじゃないか?

ジョニーライデンの帰還
女ライデンが赤いギャプランに乗って登場…ギャプランに赤色って違和感あるというか、ぶっちゃけ趣味が悪いと思ったんだが、対戦ゲームとかでは普通にカラーバージョンとして登場していたりするんだろうか?
それはともかく今後、ライデンを名乗るキャラや赤い機体がウジャウジャ登場するのだとすれば、本来それが宿していたはずの魅力や有り難みが薄らいでしまうのは避けられないわけで、あまり嬉しくないな…“超サイヤ人のバーゲンセール”状態はカンベン願いたいところ。
とりあえず現状、コアブースター(赤)ではギャプラン(赤)に勝ち目がないわけで、危ういところで何とか逃げおおせるか、別の戦力が介入してきてウヤムヤになる…というのが定番の切り抜け方ということになるけど、もし後者だとして、飛び入り参加するのが今月のMSV-Rで紹介されていたブラレロだったりしたらイヤだな(笑)。名前といいデザインといい“テキトーにくっつけただけ”感まる出しで、これまでのMSV-Rの中でも最低のカッコ悪さだし。 

超級! 機動武闘伝Gガンダム
ファラオガンダムの噂を怪談っぽく語るドモンと、寝起きのレインの表情や頭身が、まるで別の作品のキャラみたいになってるのは演出としても、サイ・サイシーがファイティングポーズを取るコマなんかはデッサン狂いまくりのまま放置されていて、明らかに時間が足りていないな…北爪としては、作画レベルの底辺を争う相手がいて嬉しいかも知れないが(苦笑)。

超超お父さんドズル~やらせはんぞう物語~
すっかり掲載位置も後ろのほうに下がってしまって、最早これまでか…と思っていたところ、久しぶりの当たり回が来てくれた。
ドズルの寝言予言のデタラメさと、次第にカネに目がくらんで暴走していくミネバ&キシリアが可笑しい。札束を渡して「トイレットペーパーの代わりにしなさい」と言うレビルは、単なる“謎のオッサン”的なゲストキャラじゃなく、いちおう“敵の将軍”という扱いなのね…いろいろとムチャ設定が乱れ飛んでいる作品なのに、そこだけはオリジナルに忠実なんだな。

シャア猫のこと(浪花 愛)
普通に“今のマンガ”として読めたので、もともと30年前の月刊OUTに掲載されていた作品だと知って、ちょっと驚いた。
“ガンダムキャラをネコ化した”というよりも、“ネコの生態を擬人化して描くマンガに、やや強引にガンダムのキャラを当てはめた”という方が近い印象。

カイのメモリー
前回と話がつながってないのだが…まさか「アレは無かったことに」とか言わないだろうな?(笑)
すでにカイ、そしてアムロやブライトといった主要キャラについては、概ね語り尽くされてしまったからか、あるいは主要キャラであるが故に手を出しにくいのか、どうもリュウやスレッガーという脇役に焦点を当てるケースが多いような…まぁ今回の話のように、盲点を突いて想像を膨らませやすい素材ではあるか。
まじめに突き詰めれば、いつトラブル(←なにしろ軍艦である)に見舞われても大丈夫なように、重力ブロック内では家具は完全に固定、小物類はベルクロで貼り付けるか、壁に備えたネット袋の中にしまっておく…などの予防処置が施されていると考えるのが妥当だろうけど、そういう野暮なツッコミはするまい。

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