月曜日, 3月 28

藤子F全集・ドラえもん 第12巻

少年エース立ち読みの代償として、D書店にて購入。

リアルタイムで読んだだけに、当たり前だけど既読エピソード多し。それでも損をしたように思えないのは、この時期に作品が(人気だけじゃなく)クオリティ的にも絶頂にあったからであって、別に俺の思い出補正というわけじゃないはず。記憶にない話もチラホラあったけど、これについては、たまたま買わなかった号に掲載されていたのか、あるいは完全に忘れ去ってしまっているのか不明。

たんぽぽくし

低学年向けのオチだから深い意味は無いんだろうけど、「あのままにしておくと新しいジャイアンが生えてくる」というセリフが、なんともシュールで、“きれいなジャイアン”に通ずるものがある。

ラジコンのもと
オチのコマに描かれたスネ夫のパパの表情が、なんとも言えない、いい味を出していて笑える。

ココロコロン
とくに何ということのないエピソードだけど、ハッキリ覚えているので恐らくこの回から読み始めたのだと思われる。

かんせいウェーブ
記憶にない回。Ver.M/Wの完成が見えない身の上としては是非とも欲しいと思う反面、作ってる最中が面白いのであって、その醍醐味をスッ飛ばしてしまうのも勿体ないという気も。

グルメテーブルかけ

この手の、人情の機微が面白さにつながるタイプの話は、当時は今ひとつピンと来なかった(←人の心が分からない奴なのである)…まぁ、それは今も大して変わらないか。たしか掲載時は“あま鯛”が“あまだい”と平仮名で表記されており、鯛の1種だと思わなかった記憶があるな…同じく◯□恐怖症の“先端”も平仮名だったっけ。かえって意味を把握しづらくなるから、こっち(=漢字+フリガナ)の方がいいな。

時門で長~い一日
放送時間が余っているので、次回以降に登場するはずの怪獣とえんえん戦わされる宇宙ターザンに爆笑…って、これ事前に撮影したんじゃなくリアルタイムで戦ってるのかよ!?

水は見ていた

またもや感動が盗まれている! いったい22世紀の著作権の概念はどうなってるんだ!? アニメ版では、しずかちゃんのお風呂タイムを覗く2人のセリフが、ほんとうに嬉しそうだったのを記憶している。

空気中継衛星

後半を描いたヘタクソは誰だぁっ!? 当時、子供心にも違和感ありありだったわ。

タイムコピー

ジャイアニズムを象徴する名セリフが初めて使われたのは、この回なのだろうか? あれはジャイアンの横暴さと唯我独尊ぶりを如実に表した言葉であって、無理に“いい話”へ持って行こうとするのは間違ってるよなぁ(←先週のアニメ版の話ね)。

いれかえ表札

しずかちゃんのパパの本名が判明…いかにも源氏の血統の人という感じの名前だな。いっぽう先生は相変わらず“先生”のままなのであった(笑)。

「ワ」の字で空をいく
会心の怒声を発するママが、やけにパワフルに見えるのは腕が太く描かれているせいか。「大きなヤの字とホの字にぶつかってケガしました」と、大まじめに読み上げるニュースアナウンサーのプロ意識は、敬服に価する。

ペンシル・ミサイルと自動しかえしレーダー

相互確証破壊の空しさを、子供に分かりやすく教える良エピソード。ただし未使用分のミサイルやレーダーを庭先に放置したままにしておく(←のび太はともかく、ドラはポケットに戻せよ!)展開が、迂闊を通り越してご都合主義なのは玉に瑕。

天つき地蔵

アイデア、ストーリー展開、的確なタイミングで挟まるギャグなど、どれを取っても一級品で、全作品を通じてもトップクラスに君臨する珠玉のエピソード。

しりとり変身カプセル
ゴジラ→ラジオ→斧→のび太…で解決。どんなに追い詰められても、ウンコに変身するのだけは断じて拒絶するプライドを持てよ(笑)。

メモリーディスク

22世紀でもディスクメディアは健在なようで、安心した。

動物変身恩返しグスリ

もし実用化されたら、恩を身体で返してもらおうとする輩が多発する予感(←もちろん性的な意味で)。擬人化したアリが集団で押し寄せて来て、無言のまま復讐を遂げるオチは、どう見てもホラーだな…まぁ“ほんとうは怖い昔話”としては、間違っていないのかも。

ホンワカキャップ
これも傑作だが、アニメ版では声優の演技が加わってさらに破壊力が増したな。怒り上戸のスネ夫に爆笑したわ。

「スパルタ式にが手こくふく錠」と「にが手タッチバトン」
こういう長ったらしい名前の道具名(しかも2つ)を、そのままタイトルにするなよ…エピソード自体は全く記憶に無かったが、オチまで無難にまとまっているあたり、いかにも時候ネタという感じ。

ジャイアン殺人事件

誇張で笑いを取るタイプ(ドッキリビデオにおけるジャイアンの歌ネタや、もりあがれ!ドラマチックガスも同様だな)の典型だけど、やはり全盛期に描かれた作品だけあってキレがいい。

右か左か人生コース

おなじみ卒業回。人生観に影響するような大層な話じゃなく、身近なことから前向きに頑張ろう…ぐらいの、等身大のメッセージといったところか。

巻末解説
楠部工(くすべたくみ)。誰これ?と思ったら、父親がシンエイ動画の会長だった関係で、ドラえもん絵かきうたなどを作詞することになった人(←ただし実際に使われたのは“6月6日にUFOが”とか“アンアンアン”とか、ごく一部のみ)だそうな。そういう事情ゆえに、子供のころはモニタリングの一環としてマンガを読まされまくったという、なかなか羨ましい環境。ただし父親自身は昔気質な性格で、自分の関わった作品が放送されるときは必ず、一家そろってテレビの前に座って視聴させられたとか…そんな厳格なイメージと、仕事内容(=子供向きテレビマンガ)とのギャップが面白いな。その父親も、ドラの放送直前におれは鉄兵がコケた時は激しく落ち込んだそうで、それだけにドラに賭ける意気込みも凄かったらしい…やはりクリエイターの仕事は大変じゃのう。

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