土曜日, 8月 14

ヴァルプルギスの後悔〈Fire3.〉

ニュータイプ立ち読みの代償として、O書店で購入。

「全4巻のうち3巻目だから、起承転結で言えば“転”にあたるのか」と勝手に考えていたのだが、実際には“承”というか、転へ突入する段取りを整えるための巻だな。ゆえに単巻としての評価は低くならざるを得ないものの、次巻に対する期待は高い。
キャラとしては、フォルテッシモといったお好み連中は全く出てこないし、レインラウンダバウト、健太郎も早々にリタイヤ。はグズグズと悩み続けているうえ正樹とすれ違いを繰り返し…と、どうにも楽しめる部分が少なすぎて困る。
ジィドはいけ好かないキャラだけど、トラス・フロントに軽く見られているのを腹立たしく思ってしまうあたり、やはり馴染みの薄い新キャラより顔見知りの連中を贔屓してしまうのは、読者の心理として仕方のないところだろうか。今回の新キャラであるマキシムフェイは、キャラとしても超能力バトル要員としても、いささか魅力に欠ける感は否めないし。
だがラストで描かれた転章…レイン末真の宿命の出会いで、期待は一気に高まった。正直、魔女同士の戦いは時空を超越しており、統和機構の後継者争いなんていう世俗的な問題とはスケールが違いすぎて、ストーリーの軸としては相性が悪いように思えるのだけど、どう落しどころを見つけるのかお手並み拝見ということで。

状況を整理しておくと(←恐らく次巻が発売される頃には、また粗筋を忘却してここを読み直す可能性があるので)…は、ヴァルプに敗北したアルケーと融合して“氷の魔女”にクラスチェンジ。イディオティックと合流。
ヴァルプアルケーとの戦いの過程で、の身体から長谷部鏡子の身体に移動。マキシムフェイ、さらにパール一味まで従えて、統和機構の支配を宣言。
これで、凪+綺+イディオティックVSその他ALLという、かなり分かりやすい図式に整理されたな。ただし凪に蹴り落とされた(と勘違いして)逆恨みしているビート&朝子は不確定要因か…早いとこ誤解を解かないとマズそうだ。
例によって末真は、直接は事態に関わらないんだろうな。しかしこの流れで行けば、最終的に彼女がアクシズの後継者となるところまで描かれるんだろうか? うまい具合に対抗勢力が一つにまとまりつつあるようだし、マキシムの裏切りを監視しているカレイドスコープなんて伏線まで張っているぐらいだからなぁ。
あとは「末真と出会ったことで辛うじて救われる」というレインのエピソードか。その結果として彼女も、末真の味方になるのは間違いないだろう。末真やレインが統括することで統和機構は穏健化し(←釘斗博士の「MPLSを狩るのは、適切な方法ではない」というセリフは、その伏線?)、凪が戦う理由も無くなるから、めでたしめでたし…となるのだろうか。

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