火曜日, 5月 14

ドルアーガの塔 FLOOR.16

【FLOOR.16】
モンスター①トロールの戦士(技量ポイント:10、体力ポイント:8)
②ホブゴブリン(技量ポイント:11、体力ポイント:8)
③ゾロア(技量ポイント:12、体力ポイント:8)※
トラップこの階に進入するのが2回目なら、袋叩きにあって死亡
宝物 戦闘用斧(バトルアックス)槌矛(メイス)十文字槍(ランサー)※※
出現方法モンスター3匹との連戦に勝ち抜く
階移動外階段⇔14,15,17階

※先制攻撃を行なう
※※いずれも武器ポイント不定

そんなわけで、とりあえず7月末に予定されている魔界の滅亡リメイク版の発売までに、これまでのプレイ状況の再確認(←遠い昔にプレイした旧版の内容は、今でもかなり覚えているにも拘らず、数年前にプレイしたばかりのリメイク版についての記憶が、けっこう朧げになってしまっているという…やはり思い入れの差か)も兼ねて、久しぶりに記述を再開することにした。

さて、16階はコロシアムとなっている。コロシアム自体のアイデア元については、イシターの復活のルームNo.30であるCOLOSSEUMなのか、あるいはソーサリー第2巻や(後年の作品ではあるが)ワルキューレの冒険第2巻にも似たようなシチュエーションが登場するし、どうやって思いついたのかと考えても、あまり意味は無いかもね。
一方で、敵の種類や周辺の環境に応じて優劣が変化する幾種類かの武器を、戦闘ごとに使い分ける…というシステムのアイデアは、けっこう珍しいんじゃないかと。ほかの作品では大抵、それぞれの武器には固定の武器ポイントが設定されており、その中で一番強いものを常用するという方式が定番であり、それ以外の武器については、せいぜい(メインで使用する武器を喪失、もしくは破壊された場合などの)予備として所有しておく…ぐらいの位置づけであることが多かったように思える。
ところで、PCエンジン版においては武器(←それ以外のアイテムも含むようだけど)に“装備”の概念が導入され、状況に応じて使い分けることができるらしいが、これも普通のRPGなら当たり前のシステムであって、べつにゲームブック版がアイデア元とは言えんだろうな…PCエンジン版に登場する要素の中で、確実にゲームブック版が元ネタだと言えるのはホワイトナイトぐらいか。

ここで対戦する相手のうち、トロールホブゴブリンについては、まぁ順当だろう。すでにボードゲーム版からはゴブリンが登場しているし、オーグル(←ゲームブック版では“オーク鬼”)も、この階で観客として顔を見せている…実際に戦うのは次の巻まで持ち越しだけど、これは現時点のギルよりも強すぎるから、あるいはネタが枯渇してしまうのを避けるためという理由だろうな。
だから、ほかのゲームブックやRPGからヒューマノイド系モンスターを持ち込んでくる事については、とくに異議は無い。しかしコボルト(10階)や、トロール、ホブゴブリンといったメジャーどころはともかく、いきなりゾロアなんてマイナーなのが出てきたことにはビックリした(←正確には、他のゲームブックをプレイしたことが無かったので、存在そのものを知らなかったんだけどさ)。
作者としても、強引に登場させたと自覚しているのか
>こんなところでホブゴブリンやトロールといっしょにいるなんて、とても考えられない
なんて書いてるし。そこまでして出したいほどにゾロアが好きだったのかね?(笑)
とりあえず妄想してみるなら(←なにしろマイナーな種族なので、本作に記述されている以外のことは全く知らないんだよ…)、自分もしくは故郷の食い扶持を稼ぐために剣闘士となり、「近ごろはドルアーガの塔のほうが、賑わっているらしい」という噂を聞いて、遠征してきたとか?
それにしても、もしギルがやって来なかったなら、こいつら誰と戦ったんだろう? まさか観客ともども、ずっと誰か来るのを待っているつもりなんだろうか…想像すると非常に間抜けだが、まぁモンスター同士で戦うと考えるのが普通だろうな。

では次に、実際の戦闘における、それぞれの武器の効果について。まずは小手調べとなるトロール戦から見てみよう。
ちなみにトロールは、ここ以外でも14階のマスクマンの店にいる2匹のほか、28~30階の追撃戦で多数が警備用員として登場するが、サシで交戦できるのはこの階だけ。また25階ではゴブリンに混じって「船」の整備用員として働かされているなど、全員が戦士階級というわけではなく、奴隷階級の者も含まれる微妙なポジションのようだ。

武器旧版リメイク版
戦闘用斧 武器ポイント:7武器ポイント:7
槌矛+盾武器ポイント:3
防具ポイント:2
武器ポイント:3
防具ポイント:2
十文字槍武器ポイント:7武器ポイント:7
剣+盾武器ポイント:4
防具ポイント:2
武器ポイント:4
防具ポイント:2

さて戦闘だが、武器の選択については上の表のように、旧版もリメイク版も全く同じ。ポイント数の総計で考えれば戦闘用斧十文字槍が並んでトップであり、基本的には、これらのうち一方を選択するのが妥当だろう。
ただし、どちらの武器も両手持ちであり、盾を併用できないため、こちらの防御力がもともと低かったりすると、無駄にダメージを食らってしまう可能性もある。相討ちOKで想定すると、敵を3人抜きするまでに合計で6+6+8=20ポイントのダメージを受ける計算となり、どうにか生き残れそうではあるのだが、一番キツいゾロア戦に備えて、なるべく少ないダメージで済ませておきたいところでもあるから、なかなか悩ましいな…よほど極端に原防御力ポイントが低く原戦力ポイントが高いなどは、敢えて剣を選んで、バランスを取ったほうが良いかもしれない。

続いては、第2戦の相手となるホブゴブリンについて。D&Dではゴブリンオークよりもやや強い程度のザコ扱いなのに対し、xanaduでは中堅クラス、ブラックオニキスハイドライドIIでは後半に登場して身体も大柄と、作品によってかなり差がある種族という印象。
本作では「ゴブリンよりも大型の小鬼の種族」と記されており、たしかにコロシアムの挿絵を見ても(←かなり小さくて判りづらいが)トロールよりは身長が低いように見えるものの、“小鬼”と呼ぶのはいささか躊躇してしまうな…「知能は低いが力は強い」とも記されていて、重そうなモーニングスターを振り回すし、実際に技量ポイントもトロールより高いわけで。
知能にしても、「船」の襲撃部隊ではリーダー格を務めていたりすることから、少なくとも他の鬼族よりはマシなんだろう。23階に登場する奴みたいに、ちゃっかり金儲けを企む狡さも持ち合わせたりして。

武器旧版リメイク版
戦闘用斧 武器ポイント:7武器ポイント:7
槌矛+盾武器ポイント:4
防具ポイント:2
武器ポイント:4
防具ポイント:2
十文字槍武器ポイント:8武器ポイント:8
剣+盾武器ポイント:4
防具ポイント:2
武器ポイント:4
防具ポイント:2

最終的に21階で売却する際には、3種類の武器の中でいちばん高値で売れる十文字槍だが、実際の性能としては戦斧と大差なく、アドバンテージを発揮できる数少ない(旧版では唯一の)場面が、このホブゴブリン戦だったりする(笑)。

最後のゾロア戦では、それまでの“両手持ち武器のほうが有利”という状況から一変して、総合修正では鎚矛がベストの選択となっている。しかし、この戦闘が始まった時点で体力に余裕があるのならば、やはり攻撃力にモノを言わせて押し切ったほうが確実とも思えるな…順当にプレイを進めていれば、ホブゴブリンを倒した時点で経験値が30に到達しているはずなので、レベルアップによって少しは楽に戦えるだろうし。
なお、旧版では両手用武器のどちらをセレクトしても変わりないが、戦斧の威力が変更されたリメイク版では、十文字槍を選ぶのが無難だろう…どんな強力な武器も「当たらなければ、どうという事はない」と、えらい人も言っていたわけで。

武器旧版リメイク版
戦闘用斧武器ポイント:6武器ポイント:4
ダメージ:4ポイント
槌矛+盾武器ポイント:5
防具ポイント:2
武器ポイント:5
防具ポイント:2
十文字槍武器ポイント:6武器ポイント:6
剣+盾武器ポイント:4
防具ポイント:2
武器ポイント:4
防具ポイント:2

余談だが、旧版をプレイした当時、鎚矛に関して
>魔力を持っているものもある
という記述を読んで、「これは終盤にルビーメイスが登場する伏線だな」と予想したが、そんなことは無かったぜ! これも原作プレイヤーに対する引っ掛けだったのかね? まぁ、それどころかブルークリスタルロッドさえ登場しないとは、さすがに予想の斜め上だったけど(笑)。

閑話休題。今さら思い浮かんだ疑問なんだけど、次の試合が始まるまでの間に、ポーションを飲んで体力を回復するのは許されるんだろうか?
旧版をプレイした当時は、回復できないのが当然と思い込んでいたんだよね。トロールを倒した直後に
>休む間もなくホブゴブリンを相手にしなければならない
と記述されていたし、仮にポーションを飲もうとしたら、対戦相手や観客のモンスター連中から猛烈なクレームが飛んできそうな雰囲気でもあったし。それに、敵3体の体力ポイントを合計すると24ポイントで、この時点(=14階でテローダスのムニエルを食べた後の)ギルの体力とほぼ等しかったから、生きるか死ぬかギリギリのバランスが成立していると思えた…という理由もある。
しかし改めて考えてみると、4階ではブラックナイトが接近してくるまでの短い間に飲むことができたワケだし、
ポーションの使用に関するルールでも
>戦闘中を除き、いつ飲んでもいい
と記述されているんだよな…この場合の“戦闘中”というのは、互いにサイコロを振り合っている最中のことを指すのであって、ならば、次に戦う敵のパラメータが明示される前に飲むことは、認められるというようにも読める。
まぁ俺としては、いちおうリメイク版でも同様に、ポーションに頼らないで連戦を勝ち抜いたけどね。もちろん直前に、14階にあるレッドポーションの樽の、貴重な最後の1回分を消費したけど。

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