土曜日, 2月 23

それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ【完全版】12

月末までの期間限定ポイントは60ポイント程度と、流しても惜しくない状況。今月は購入候補のBDも発売されないし、保留していた次点クラス作品にも値下がりの動きは見られない…ということで、このまま見送っても問題なかったのだが、書籍のほうで、ちょうど先日ヤマモト・ヨーコの最終巻が発売されたため、これを注文することにした。
マイナーゆえにリアル店舗では在庫があるか不確実だったのと、明日から明後日にかけては有休〜泊まりの待機シフトという、本を読むには絶好の余裕がある──逆に、この機会を逃すと、図書館から貸し出されたSFマガジンを先に読まなければならなくなる──というのが、購入の理由である。
そんなわけなので今回は、できるだけ早く手元に届くよう、いつものコンビニ受け取りじゃなく自宅配送をチョイス。まぁ、届かなければあす楽(←先月あたりから、楽天ブックスも対象となったらしい)の条件が発動して、お詫びポイントを獲得できるから、どちらにせよ悪い話じゃない(笑)。

ちなみにキャンペーンの方は、恒例の<週末の楽天カード使用で3倍<ポイント最大15倍キャンペーン>(←今回は倍率がアップし、ゴールドorプラチナ会員ならば税抜き2万円以上で10倍に…これは是非、今回かぎりで終わらせずに継続してもらいたいものだ)、それに<「楽天ブックス」と「楽天市場の対象ショップの中古品」両方のお買い物でポイント5倍が加わるので、もしBDを購入していたならば、それなりの倍率になっていたはず。

なお今後の購入候補としては、秋クール作品からはTo LOVEるダークネス、冬クールからはちはやふる琴浦さんが、現時点で購入確定。またジョジョ絶園のテンペスト──左門さん劇場と、ラブコメモードの覚醒した葉風ちゃんが最高(笑)──あたりも購入ゲージが溜まっているので、1本ぐらいは買いたいところ。
しろくまカフェについても同様なんだけど、こちらはアニメイト以外でも(今ごろになって、しかも安値で)販売されるらしいので、どうせならそっちを買いたいところ。とはいえ、現時点では第4巻までのリリースしか公表されておらず、以降はどうなるか不明なんだよね…とりあえず様子見だな。

追記
前巻では、この作品のウリのひとつである(おもにアニメやゲームに関しての)時事ネタを控えるなど、長期に渡る休筆期間が作中の描写に影響しないよう、かなり気を遣っていた印象があった。しかし今回は本来のテイストを取り戻し、それどころか作品世界の根幹に関わる設定アイデアを開陳するに際して、“時間の概念を曖昧化する”という荒技を用いることにより、現実世界と作品内世界の時間の流れのズレにより生じた矛盾さえも、設定の一部として内包してしまったという…。
まぁ確かに、初期には「20世紀世界と30世紀世界では、時間の流れが異なる」なんて記述も──前もって昔の巻を読み直していたけど、すっかり忘れていたからビックリしたわ(笑)──あったし、シリーズが構想された当初から折り込み済みの設定だったのかも知れないが、それならば、なぜ第11巻では上記のように、時事ネタを封印したのだろうという疑問が残る。
まぁあとがきによると、執筆が止まっていた間に、本来このシリーズで用いるはずだったのに他の作品で先に使ってしまったアイデアというのもあったらしいから、逆に、はじめに思い描いていたのとは異なる要素が加わってもおかしくは無いか…20世紀世界が21世紀を迎えてしまったり、ディメカムの形状がスマホ型に変わったりとか(笑)。

しかし…敢えて言うと、こうして理屈を並べて取り繕うことができるというのは、本来はSF作品ならではの利点であるはずなんだけど、それが却って面白みに欠ける気もするんだよね(笑)。むしろガラスの仮面に携帯電話が登場したり、サザエさん家がテレビ(←古くさいタイプに見えるけど、中身は地デジ対応の最新型という設定)を買い替えたケースのように、普通の世界をベースにした作品のほうが、この手のツッコミに対する弥縫策──もしくは開き直り(笑)──を見て楽しめるという…。
また、“時間の概念を曖昧化する”というアイデア自体も、さほど目新しさを感じられない(←この点でも、完結が遅れたのは痛いな…)うえに、「それによって、今後どうなるの?」というイメージが具体的に提示されていないこともあって、どうにもアイデア倒れに終わってしまっている感がある。
時間の流れというよりは、どちらかと言うと主観的な世界認識そのものがメインテーマという点で、あまり適切な例ではないかも知れないが(←なにぶん、俺のSFに関する知識が乏しいので仕方ない)、たとえばシュレディンガーのチョコパフェ夢幻潜航艇などの、山本弘亜夢界シリーズは、個々人の認識によってパーソナルな世界が構築される一方、価値観を共有できる他者とは同じ世界で共存できる…という設定が、アイデア的な面白さとテーマ(=作者の思想)の双方にうまく連動していた。

もうひとつ、“進化の極限としての究極観測者”と、“進化するためには他者との闘争が必要”とのアンビバレンツ…というアイデアに関しても、目の付けどころは悪くなかったと思うんだが、その解決方法として提示されたのが集合知性というのはなぁ…。インターネットやクラウドの概念が普及した今となっては、もうすっかり目新しさが失われてしまっているワケで、これもまた、完結の遅れによって生じたマイナス要素と言えよう。


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