月曜日, 8月 17

図書館でアニメージュを

お盆は過ぎたというのに、この暑さは何なんだろうね? そのお盆は働きづめで今日ようやく休みが回ってきたわけだが、こう暑いと何をする気にもなれないから、図書館でアニメージュを読んで過ごすのが正解だな。

1ヶ月遅れで巻頭特集(と言うほどのページ数でもないけど)のヱヴァは、情報規制が厳しく内容に関する話は全面NGという…ネットでネタバレ当たり前という今のご時世に、そこまで規制する必要はあるのかね? もちろん、ネタバレ無しで見たほうが圧倒的に面白いに決まってるけどさ。
まあそんなわけで本編に触れられない以上、せっかく久しぶりに登場のあさりよしとおも、「使徒の着ぐるみが経年劣化した」だの「首だけ換えて使い回した」だのと特撮ネタで大ボケかましまくるしか無かったわけだ。

だが、読者の平均年齢が14歳というのは驚いたな…ごめんよ、平均を引き上げて(笑)。人気キャラのランキングで、いきなり「けいおん!」勢が並みいる腐女子系キャラを圧倒…しかも一番人気と言われる澪ではなく、主人公がトップを取るという展開にも仰天させられた。何かの宣伝工作か、組織票でも入った? 編集部コメントでは「先月の表紙効果」という分析だったが。
これまで、どっちつかず(やや腐女子向けだけど)の編集方針で来たものの売り上げ的に苦戦が続いたので、思い切って萌えオタ向けに舵を切ったとか? まぁ、けいおん人気がイレギュラーなのであって、すぐ元に戻りそうな気もするけどね。

新作紹介ページの筆頭に来たのがフェアリーテールというあたり、秋クールは嫌な予感が漂ってるな。本数は増えても、今期より質の落ちる作品ばかりじゃ意味ないぞ。それに対して今期作品の紹介ページのほうが、明らかに"充実のラインナップ"という感じ…ほぼレギュラー化していた銀魂のページが無かったのは残念だけど(ドラクエネタは難しいのだろうか?)。
ハガレンは遅まきながら軌道に乗ったようで、ページを多く割いてきた編集部としては一安心と言ったところ? 高松信司が、宙のまにまにの監督を引き受けた心境について「滅びゆくテレビアニメへのオマージュ」と答えたのは複雑…。確かに、これって夕方に流すべき作品だと思うけどさ。
相変わらず手堅いと思っていたノイタミナの担当Pは、「今がピークで、数年後には視聴率が下がる可能性もある。その時になってからでは遅いので、今から手を打っておく必要あり」と冷静な言葉。あれほどの高視聴率枠であっても、商品として成功することに頭を悩ませなきゃならないようだ。それにしても「働きマン」だけが売れなかった(視聴率は悪くないのに)のは、今だに謎だな…まぁ初期の作品ゆえの特殊な例外だとは思うけど。

「この人に話を聞きたい」は細田守。「時かけ」は自分の"青春観"をすべてブチ込んで作ったので、その直後にまた青春モノを作っても同じ物しか出来ない…と作劇手法を暴露。なるほど「細田は引き出しが少ない」と言われる所以だな。
話を作ろうとするとキャラのバックグラウンドまで徹底的に追求してしまうので、他人の作品の1エピソードだけアシストするという仕事が苦手。ゆえに、不本意ながら東映を辞めるしかなかった…というのも、波乱万丈の人生よのう。
不満だったのは、「ぼくらのウォーゲーム」について全く触れらなかったこと。俺は見てないけど、あちこちで共通性を指摘する声が挙がっている以上、肯定であれ否定であれ何らかのリアクションは示すべきだろうに、ダンマリを決め込んでると悪いように取られても仕方ないぞ。その点では、藤津亮太のコラムのほうが読み応えあったな。"鍵と鍵穴"をキーワードにしつつ「喧伝されているほど"家族"が描かれているわけではない。家族よりもう少しグローバルな"世間一般"とのコミュニケーションの取り方が主題」と喝破しつつ、だからこそ「ウォーゲーム」の単なる焼き直しではないとも述べている。
敢えて言うなら、べつに「ウォーゲーム」の焼き直し──あるいは、これまでの細田作品の集大成──でも一向に構わないのではないか。宮崎駿が「ラピュタ」で自分の好きなモノを全部ブチ込んでしまって、手札が何も無くなってしまった状況から「トトロ」という新境地を拓いたように、細田も一度すべて持ちネタを使い果たしてスッテンテンになってみれば、追い詰められて新しい何かを見出すことができるかも知れないし…と、サマーウォーズ見てないのに憶測で語りすぎだな。

安彦コラムは、夏が嫌いという話と、選挙を踏まえた政治ネタ。珍しく、どちらも同意できる内容だった。隣の杉井ギサブローのコラムは、先月に引き続きufotableのPとの対談。よく言われる「アニメスタッフが低賃金で酷使される原因を作った主犯は手塚治虫」という説を否定し、「本当に価値のあるものなら高くても売れる。本当に責任があるのは、きちんと価格交渉を行なってこなかった怠慢な業界人」と主張。最近は一戸建てを立てるアニメーターが現れたり、ufotableでも退職手当の積み立てを始めたりと、少しずつ改善されているようだ…ほかの業種なら当たり前のことだろ!というツッコミは却下で。

読者投稿で、「最近の部活モノで先輩キャラが登場しない傾向にあるのは、厄介ごとを忌避したいという風潮の反映」という指摘には、頷かされるものがあった。
どんなに都合のいい設定やストーリー展開も結構だけど、それは「アニメが現実逃避の手段」だと自覚した上での話。それを忘れないためには現実世界で代償を支払う(=商品に金を払う)ことが必要で、タダで現実逃避できると錯覚してしまえば、それは単なる堕落に他ならないだろう。

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