今日は休日。晩からは友人たちと忘年会の予定だったが、「それならば、ついでに」という事で、昼間のうちに希望者が集まり、近場のシネコンでホビットを鑑賞することになった。見に行くこと自体は以前から決まっていたんだけど、参加者のうち1人はカレンダーの通りにしか休めないため、ちょうど日曜日である今日ならば、忘年会と一緒に済ませられるから一石二鳥というワケだ。
そうしてスケジュールが固まった直後、ガンスリ第15巻の特装版を探してA書店まで遠征した際、ついでに立ち寄った金券ショップにおいて前売り券を簡単に入手。安く買うことができて、先月のヱヴァQを当日券で見てしまった仇が討てた(笑)と喜んだ半面、前売り券がダブついているらしい様子に、一抹の不安もよぎる。
実際に入館して周りを見回してみても、客の入りは思ったほどでは無く(←すでに冬休みに突入した後の、連休2日目の午後という好条件。しかも先週より上映回数を絞られたにも拘わらずである)、原作ファンとしては少し寂しいところ…まぁ、大半が3D版や字幕版に流れた可能性もあるが、そこまでは分からないので何とも言えない。
やはり日本では、欧米に比べて作品の知名度が劣るのは致し方ないのかね…。かく言う俺自身も、やはり“あの指輪物語が映像化された”というだけで満足し、多少の減点ポイントには目をつぶって絶賛したという面は否定できないわけで(←もちろん、非常に良くできていたのは間違いないけど)。
それが二回目となると、どうしても慣れてしまって初回のインパクトには及ばないし、おまけに原作のポテンシャルとしても──どれだけ追補編などからエピソードを持ってきて膨らませたところで──前作よりスケールが小さいという根本的なところは変えようが無い以上、なかなかロード・オブ・ザ・リングを超えるのは難しいだろうな。
とはいえ、前作を凌駕できる可能性があった唯一の切り札──言うまでもなくスマウグのことだが──をほとんど見せないまま次回に温存したのは「後になって振り返ってみると、手痛い読み違いだった」という事にならないか心配…。とくに欧米ほど原作の人気と知名度が浸透していない日本では、いかにロード・オブ・ザ・リングの実績があるにしても、本作だけ見て「前作より面白くないね」とか早合点されてしまっては、次が無いわけで。
前作における黒の乗手やバルログのような、恐ろしげで魅力的な敵が登場せず、全般的に緊迫感が不足していると思えるのもイマイチ…まぁ、これは原作の“児童文学らしさ”を再現することを優先したとも解釈できるか…ゴブリンの王なんて完全にコメディ系で、怖がらせるよりも笑わせに来てるし(笑)。メリーとピピンがいた前作と違って、今回はホビットがコメディを担当するわけには行かなかった…という理由もあるかね。
児童向けのように、コミカルな要素を前面に出した…というと、スターウォーズのエピソード1を思い出すな。どちらも“3部作×2のシリーズ構成で、第2シリーズの1本目”という共通点もあるし…って、そんな駄作フラグは勘弁(苦笑)。まぁ、あっちはファン層の若返りが主な目的だったらしいから、事情は異なるけど。
あと、前作では無理やりアルウェンの出番を増やしたことについて否定的だったが、今になってみれば仕方なかったと思えるな…今回なんて、前回よりもさらにヒドくて、ほんとに登場人物はオッサンとジジイばっかりだし(笑)。原作に無かったガラドリエルの出番を設けたのも、むしろ当然の処置とさえ思ってしまったり。
それにしても、主要キャラの個性が立っていない──そのくせ、数だけは前作よりも多い!(苦笑)──のは困りもの。前作のように種族のバリエーションが豊富じゃなく小人系ばっかりなので、まず見た目(身長差)で差別化を図ることもできないし。ただ1人、例外的に長身のガンダルフは、それ以前にキャラが立ち過ぎているうえに単独行動を頻繁に取るから、あまり意味が無いという…。
まぁ、これも原作準拠だから仕方ないし、やたら数の多いドワーフたちも、できるだけ体格や装備を多様化しようと努力はしているんだろうけど、一方で主人公格であるトーリンを目立たせる必要もあって、悩ましい問題だわな。
…と、自分の中で事前にハードルを上げてしまったせいで、辛口の意見になってしまったけれど、同伴した友人2人には概ね好評だったようだし、俺も次回には期待しているわけで、是非とも信頼に応えて欲しいところ。
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