メガミマガジン立ち読みの代償として、V書店にて購入。
安彦良和がオビで絶賛…って、これじゃまるで、ほかの作品を全否定しているみたいにも読めるな(苦笑)。まぁ実際、安彦としては「Zガンダム以降は無いもの」という扱いなのかも知れんが。
そもそも雑誌での連載時から、掲載が不定期になりがちでページ数も少なかったりと、あまり制作状況が芳しくないことは伺えたし、あとがきで作者自身が
>色々あって、後半はちょっと詰め込んだ
と語っていることからも、かなりの難産だったのではないかと憶測。
とはいえ、その割には(急展開や尻切れトンボの幕引きといった)いかにも打ち切りと思わせるような雰囲気は希薄で、もし雑誌掲載時の状況を知らずに単行本を一気読みしていたなら、「普通にまとまっている」という印象を受けたかも知れない。
これは、もともと真相や黒幕に関して深く言及せず、煙に巻くような語り方をしていたおかげで、いざ風呂敷をたたむ段になっても、同じように適当に誤魔化すことができた(=正史における重要な事件や人物との関連性をガッチリと描かずに済んだ)ことが大きいのかも。
個別の評価としては、(やはり本家であるファーストガンダム関連が別格扱いになってしまうのは、致し方のないところだが)ミハルに関する話は当然として、マチルダとの写真撮影エピソードについての補完も、ポイントが高かった。
とくに後者は、「記録を残すということは(補給部隊の活動と同じく)戦時下において数少ない、生産的な行為である」という、いかにもマチルダの言いそうな言葉が、“ジャーナリストとしてのカイ”の原点となったという解釈で、かなり妄想の度合いが濃いにしても、いい話だと素直に思えるものがあった。
こうして単行本を読み終えたことで、ネタバレ回避のために──ガンダムエースを立ち読みできなくなって以来ずっと──封印してきた本スレを、ようやく読めるようになり、それによってバムロやコウ・シュウゲンの名前の元ネタに関して知ることができた。
なお、前作(カイレポ)や第1巻には掲載されていた作者と編集者の制作裏話が今回は全く載っていなかった件に関しては、純粋にコスト(=ぺージ数)の問題だそうな。それなら仕方ないだろうけど、その代わりガンダムエース本誌のほうに掲載されたと知って、複雑な心境…さすがに、それだけの為に今さら本誌を読む気にもなれないし。
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